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「缶ちゃん、そんな事しちゃダメよ、
結婚するまで待って、ダメ・ダメ・ダ・・・
そんな!舌をい...............んっ!
んっ?りんちゃん?」
りんちゃんが私の上に乗って顔や口元?を
舐めていた。
夢?夢を見ていたようだ!
それもあんな恥ずかしい夢、私!欲求不満?
思わず急に起き上がる!
りんちゃんがベッドの上から転げ落ちた。
状況が飲み込めてきた。りんが私の上に乗っていて、それであんな夢をみてしまったのか?
それとも変な声を出していた私をりんが心配して
顔を舐めていたのか?
「きゃっ!!恥ずかしい!!
下にいる缶ちゃんに聞こえなかったよね?」
その時、階段をバタバタと上がってくる
音がした。
ドアをドンドンと叩いて
「夏凛さん!どうしました!!
大丈夫ですか!!今大きな音がしましたけど
何かありましたか!?」
ベッドから起き上がり扉をそっと開ける。
缶ちゃんが真剣な顔をして心配そうに私を見た
だが、私は缶ちゃんの顔を直視出来ずに
「何でもないよ、りんちゃんがベッドから
転げ落ちただけだから・・・・」
と誤魔化した。
りんが私と缶ちゃんの間に入ってきて
缶ちゃんを見上げ、見つめていた。
「ここから一歩でも入ったら許さないわよ」
とでも言わんばかりに唸りはしていないが
一触即発の雰囲気で缶ちゃんを睨んでいた。
「副所長!そんな怖い顔しないでよ、
夏凛さんの部屋には入らないから」
と、缶ちゃんが言っても、りんは臨戦体制を
解かなかった。
「何でもないのならよかったです、
じゃ、また僕は寝ますので......おやすみなさい」
「ごめん、驚かせてしまって」
「いえ、それじゃおやすみなさい」
そう言って缶ちゃんは自分の部屋に戻った。
りんに舐められた顔を洗ってから
またベッドに潜り込んだ。
夢を思い出しただけで顔が赤くなってしまう。
その夜は、ずっとウトウトしていて
熟睡できなかった。
外もだいぶ明るくなってきたので、りんと
散歩に出かける事にした。
寝不足だけど気持ちのいい朝だ。
ゆっくり時間をかけてりんとの
散歩を楽しんだ、一時間くらいの時間をかけて
事務所に戻ると缶ちゃんが朝食を作って
待っていてくれた。
「お帰りなさい、散歩お疲れ様です。
副所長もお帰り、お水とご飯だよ」
と、言ってりんの前に差し出した。
りんのご飯は、あの日実家のボーイさんが
教えてくれたレシピのものだった。
りんの食べっぷりは物凄く
あっという間に綺麗に完食していた。
「さあ、夏凛さん!僕たちの朝ごはんですよ」
コーヒーとサンドイッチがカウンターに並べられ
缶ちゃんと私と2人並んで食べる。
だけど、昨夜のあの夢を思い出して缶ちゃんの
顔をまともに見られなかった。
「夏凛さん、どうかしましたか?
何も話さないで.........」
「ううん!何でもないの、ちょっと
疲れたかな?」
「大丈夫ですか?今日の仕事は僕が片付けますから、休んでいてください」
「そう、それじゃそうさせてもらおうかしら」
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