ぼくからしたらおやつのほうが大事なお話し

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「翔!!!」 「うわっ」 背後からの大声に全身の毛が逆立った。振り向くとなぜかいつも公園で餌をやっている猫を小脇に抱えたジュンがいた。 「翔、あんた最近わざとわたしを避けてない!? 翔に言わなきゃいけないことがあるのに」 ほら来た、青木のことか?  「あのね」 そうはいくか、俺が先に言ってやる。瞬間、翔のスイッチが入った。 「ジュン、俺がいるだろ。青木なんかと付き合うな!」 「翔、青木君がサッカー部に入りたいみたい!」 同時にふたりがそう言った。  ??? にゃんだ、この間? 「俺がいる・・?」ジュンは唖然とし、 翔の顔は真っ赤で、「ふ、ふっざけんな、お前!!」と怒鳴ると走っていった。 「部活に興味があるなら、翔に直接聞けばいいんじゃないって青木君には言ったけど、あれじゃ声を掛けにくいって気持ちもわかるわ。可愛いとこもたくさんあるんだけどね。俺がいる? 俺がいるんだってー♡」と、ジュンは猫を空に掲げた。 ー にゃんとも人間ってめんどくさいにょー。 それより、早くその手に持ってるおやつくれないかにゃ? ー (了)
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