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「はい、それじゃあ今から終わりの会をはじめます。なにかある人いるかー?」
先生が教壇に立ち、みんなに向かってそう言った。クラスの女子たちは顔を見合わせてなにか言いたげで、特に神無月さんと十六夜さんは今にも発言をしようか迷っているほどだった。
「はい」と手を上げたのは神無月さん。
「じゃあ神無月さん、ゲッフ、ああすまない」
先生が教壇で顔を歪ませながらゲップをした。
「先生きたなーい」
「すまんすまん。ちょっと給食を食べ過ぎたのかな。まあ続けよう。神無月さん。なにかある?」
先生から指名された彼女は、席から立ち上がり周りを見渡しながら話し始める。
「もう夏休みも終わって、九月ももうすぐ終わろうとしています。女子たちの間でも話し合っていたんですけど、もう夏はいいかなって。そろそろ秋でもいいんじゃないって思うんですけど、どうなのかなって」
「はー? なに言ってんの? まだ暑いじゃん! 夏だろまだ」
そう声を出した男子は空蝉くん。半袖半パン姿で、まだまだ夏を満喫している様子。
「でも、朝晩は涼しいし、いかにも秋って感じじゃん。夏はもう終わったと思う」
「いやいや、まだまだ全然。昼間なんて暑いしさ、汗もめっちゃ掻くし。そもそもお前だって半袖じゃん。秋なら長袖だろ? 半袖ってことはまだ夏ってことになるだろ」
そうだそうだ、と男子の声。大半が空蝉くんと同じように半袖半パン姿。男子たちの夏はまだまだ終わってはいないらしい。
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