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半年後
「よかった〜六ヶ月検診異常がなくて直美も美優も元気みたいね。直樹に似たのかしら?」
「確かに俺は病気した事がない事が自慢だけどな」
「優子も元気でよかった」
「うちの佳菜子も元気でよかったよ」
「喫茶店なんて久しぶりだわー」
「本当ねー。赤ちゃんができると家で珈琲さえもなかなか飲めないわ」
「本当ねー。すぐ泣くからねー赤ちゃんは」
「こうしてカプチーノを注文して飲む事ができるなんてありがたいわ。保健所の近くに喫茶店があると助かるわね」
「そうですねー。帰り道ですからねー」
木原と井田と堺の三人の家族は自分の子供の六ヶ月検診の帰りに帰り道にある喫茶店で珈琲を飲みながらお喋りに花を咲かせていた。
木原美紗子は言った「直樹大丈夫?明後日から私復帰するけど。保育園にも入れてないけど」
「大丈夫だよ。今までだって主夫やってきたんだから、美紗子にも育児の事教えてもらってたし」
その時、井田理沙と堺夢が言った。
「あら〜木原さんのところも明後日なの?実は私達もなの?お互い仕事が忙しくて大変ね」
「そうなんですか〜本当に仕事忙しくて大変ですよね?」
「私も心配してるんですよ。主夫やるなんて言い出して、主夫の大変さをわかっていないんじゃないか?って思ってね」
「そうですよね?直樹、私が明後日仕事で出勤したらあなたと直美と美優の三人だけになるけど明後日子供達とどうやって過ごすの?」
直樹は美紗子にそう聞かれて自信満々に美紗子に言った。「実は直美と美優をうちの前の公園に連れて行って日光浴をさせようと思ってるんだ。パパ友もできるかもしれないしね」
美紗子は言った「公園デビューするの?色々公園デビューって大変みたいよ。雑誌に載ってるけど」
「大丈夫だって。陸と恭介も行くだろう?」
陸と恭介は言った。
「勿論行くよ。公園デビューで色々揉めるのは女性だからじゃないの?今は主夫なんて普通にいるし男の方があっさりしてるからね。公園デビューで嫌な事があっても、直樹と恭介と俺の三人で子供を遊ばせればいいんだから。孤立しても三人だから心配しなくても大丈夫だよ」
「それに公園の直ぐ側が家だからね」
井田陸と堺恭介はそんな事を自信満々に妻に話した。
そう、この時はまだ井田と堺と木原の三家族は知らなかった。
家の窓から見える大きな公園が少し他の公園とは違う事に〜全く気がついていなかった。
自分達の家から見える大きな公園。。。三人家族の妻は直ぐに仕事復帰の為に家で自分の子供にミルクを飲ませたり抱っこをしたり玩具であやしたり写真やビデオを撮るのに夢中になっていた。
だから知らなかったのだ。この家の窓から見える公園の本当の姿が〜。
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