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予定表
次の日の朝2023年11月27日月曜日朝6時パンのいい香りとバターの匂いスクランブルエッグの匂いで直樹は目が覚めた。
「美紗子〜おはよう。朝食作ってくれたの〜二日酔いにはならなかったのか?随分呑んできたみたいだったけど?」
「おはよう昨日はごめんね。昨日のことは〜恥ずかしいから記憶から消して!」そう言って耳まで赤くして恥ずかしそうにしながら直樹に言った。
「ね、ねえ直樹?変なことしてないよね?昨日の記憶があまりないんだけど?一応先に謝ったんだけど?記憶がない時はやばいよね?」
「あ〜美紗子の汚物の処理とか?それともキスの話し?」
美紗子は「わかった〜言わないで〜それ以上は〜お詫びに朝食で許して〜ほら仕事でしょう早く支度して食べちゃって話は帰って来てからするからこれからの事についてこれは予定表というより計画表なんだけどね」
そう言うと直樹に予定表が書いてある一枚の紙を渡した。
朝食を食べながら直樹は美紗子から渡された計画表に目を通した。
その途中美紗子は直樹に言った。
「私は上司を説得して二週間休みをもらってきたの。もう暫く休みをもらえなくなると言われたからじゃあ今二週間ください。じゃないと辞めるからって半分脅して。だから私その間に結婚式と直樹のご両親のところに挨拶に行きたいし、新婚旅行にも行きたい。また川越の時みたいに行きたいのだから少しだけ直樹も休みをなんとかしてきてほしい。今だけなの仕事休み貰えるのは〜」
ところが直樹は美紗子が想像している言葉とは全く違う言葉を直樹は口に出した「美紗子、君はいつから人の心がわからないただの研究者になっ
たんだ?アメリカがそうさせたのなら僕は反対すればよかったよ!今の君は僕が愛したかっこいい自慢できる彼女じゃない!ただの研究者でカッコ悪い!無理やり休みを取るなんてがっかりだ!
それに僕にも予定がある!そう簡単に休みなんて取れない。退職願は出したけど、普通の会社には引き継ぎや新人の指導などいろいろあるんだよ。とにかく俺は会社に行くから頭冷やせよ!」
「バタン」
初めて直樹が本気で怒った姿を美紗子が目の当たりにした瞬間だった。
ドアを閉めて出て行った直樹の寂しい後ろ姿と直樹がドアが閉めた音が今日は一段と冷たく感じた。
美紗子は直樹が会社に行った後、食事の後片付けをしながら涙が止まらなかった。
「日頃、温厚な直樹を私はあんなに怒らせてしまった。私の何が?いけなかったの?いつの間にかリーダーになったからって威張った言い方してたの?直樹ならわかってくれると思ったのに〜少しでも一緒にいる時間が欲しかっただけなのに〜」涙を拭きながら美紗子が朝食の片付けを終えてから簡単な掃除をしてると、突然美紗子の携帯がなった。それは直樹の母の美子からだった。
「美紗子さん直樹が何か言ったんだって?大丈夫?あの子は昔からうちの旦那と同じで女心がもともとわからないんだよ。気にしない方がいいからね。私も叱りつけたわよ!女を泣かせるなんて私は許しませんよ!ってね」
「お義母さん直樹さん何て?何て言ったんですか?」
「怒鳴って会社に出ちゃったんだけどさ〜どうしよう理由は〜って私に朝の出来事を全て電話で話してきたのよ?私ははっきりといい歳して母さんに頼るんじゃないわよ!そう言ってやったわ!」
「あの子本当に気が利かないでしょう?困った子よね。でも優しい子だから許してあげてね。苦労かけてごめんなさいね」
美紗子は涙を溜めながら「いえ、ありがとうございます。私が〜私が〜悪いんです。温厚な直樹
さんを怒らせてしまって〜」
「そんな事ないのよ。気にしないでね。直樹が悪いのよ!女性を泣かせるなんて男として恥ずかしいわ!よーく叱っておくからね。これからも奥
さんを泣かせたら許さないってね!」
美紗子は「そうだお義母さんこんなサプライズはどうですか?」
直樹の母、美子の声は電話の向こうから少し申し訳なさそうな声で言った「本当に?宜しいんですの?こちらはとてもありがたいんですけど?私は大丈夫です。モデルの仕事って言っても今ドラマの撮影していますが〜後何回ドラマに出るのか?聞いてみます。新宿の方も〜確か〜ドラマのロケの日があったような〜今調べてみますね。ちょっと待っててくださいね」
美紗子は携帯電話を持ちながら待っていた。
そうだったお義母さんモデルだったんだ〜弟
さんの方がインパクトがありすぎてうっかりしてた。
美紗子がそんな事を考えていると直樹の母美子が美紗子の携帯に出た。
「美紗子さんちょうどいい日ね。その日はちょうど新宿のロケの日よ。皆さんNGなんて出さないベテラン俳優さんばかりだから予定通り行かれると思うわ。はいはい直樹には内緒ね。サプライズですね。サプライズくすくす。。。はいまたね近々新宿で」そう言って携帯を切った。
美紗子はこうして直樹を驚かせる為とこれなら直樹が納得してくれると思う。私達らしい結婚式と新婚旅行予定表改めプランAサプライズでいこう
と心に決めていた。
うん?サプライズサプライズって里奈ちゃんとマイケルの時にあったっけ?最近サプライズ好きになってきたような?もしかして後輩の里奈ちゃんに似てきてる?なんて事はないか〜。私の方が一年先輩なんだしね。まさかね。美紗子はクスクスと一人笑っていた。今頃、里奈ちゃんくしゃみしてたりして。。。
そして直樹が帰ってきたら謝って仲直りはしておかないとね。プランAなんだから。。。
美紗子はプランAを考えながらワクワクしていた。
そしてアメリカの荷物の整理や家事を済ませ
夕方里奈ちゃんに電話をするつもりだ。このプランAは里奈とマイケルの協力も必要だと考えていた。
きっと里奈ちゃんならこう言うはず「サプライズ、サプライズいいですよ〜先輩に協力します」ってね。
そうと決まれば家事をしてから〜ビーフシチューを時間をかけて煮込んでおきますか〜その前に買い物してっと。今日はなんとしても仲直りしておかないと〜。
美紗子は今サプライズがわかった時の直樹の顔を想像して笑いながら家事をこなしていた。
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