披露宴会場

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披露宴会場

 直樹は集まってくれた。気心知れた仲間や自分の家族と会話をしながら社長が言ってたロイヤルホテルに行くはずだった。  「あれ?ロイヤルホテルってこの道だったっけ?右じゃなかった?」 「直樹これから行くところは〜ロイヤルホテルじゃないの〜こっちなの。もう少しで着くわよ」 直樹は立ち止まった。「あれは?僕の家の近くにあるからと言ってよくデートしたイタリアンレストランの店。二十四時間営業の?あそこが披露宴会場?」 美紗子は言った「そうですよね?社長あそこで披露宴をしてから私達はその2階の従業員の寮で眠るのよ。貸切だからね。仕事は?とか思ってるでしょう。社長から話してください」 「頼む、木原君僕を助けてくれ。ここの従業員寮と下の階のレストランをリニューアルしたいんだ。だから君が中心になって悪い点を書き出してほしいんだ。素人目からしてどこをどう直せばいいか?教えてほしいんだ。披露宴に来てくれた皆様も頼みます。その代わり泊まりもこの料理も 皆んな私からのサービスだ」 直樹は聞いた「社長?このビルって社長が、オーナーなんですか?」 「いや〜大事なお得意様のものなんだけど、実際寝泊まりしてどこをどうしたらいいか教えてくれとか言われてね。でも私はセンスがないからと困ってたんだよ。そんな時、君の婚約者から電話をもらってね。このレストラン社長のお得意さんがオーナーと聞きましたが?お困りの事ありませんか?とか聞いて来たんだよ。それで打ち明けたら?このサプライズの事を提案してくれたんだ。  だから明日から三日間ここは木原君の職場で飲み食い無料だし貸切だから。悪いけど明日から皆さんが帰った後木原夫妻でこの仕事を引き受けてくれ。細かく困った点をそこのメモで書いてくれよ。皆さんも今日はここで寝泊まりしてここで食事をした後好きなお時間でお帰りください。  さあ新郎新婦早く着替えてください。みんな中で待っているからね」 「着替える?私衣装なんて持って来てないですし〜」 美紗子はクスッと笑ったそしてこう言った。 「直樹こっち、こっち早く」 直樹は美紗子に手を引っ張られて思い出のレストランがあるビルの中に入って行った。  ビルの中に入ると大勢直樹達の為に集まってくれた職場の同僚や友人は拍手して直樹達を迎えてくれた。そこにいるのはウイルス研究所の皆さんと直樹の職場で働いている職場の仲間だった。  そこには新人の三田も拍手をして待っていた。 「えっ?何で三田君が?社長の依頼の仕事の補助を頼んだから新人教育も直樹が一石二鳥でできていいかな?と思って。だって直樹〜新人教育が〜とか言ってたもんね」 「だけど〜もしかして三日間も?彼と一緒に?寝泊まり?」 「そうだけど?それが社長の条件なの。新人の三田さんに、しっかりと新人教育をしてある程度ものにするって事が〜。これで私は少しでも直樹と一緒にいられるし、三田さんは一人前になれる。社長は悩みが減るこれで問題解決ね。さあ着替えに行きましょう」 「美紗子〜僕達の新婚旅行は?」 美紗子は言った「直樹?あなた会社の引き継ぎが大切だって言ったわよね?」 美紗子〜やっぱり怒ってる〜女性が怒るとずっとネチネチ言うって何かの雑誌に書いてあったけど たぶん本当だな。  直樹が、初めて女性の怖さを知った瞬間だった。
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