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合同結婚式
直樹達は合同結婚式を挙げてそのまま従業員部屋に布団を敷いて寝ていた。早朝朝から仕事がある出席者はそれぞれ昨夜の残りの冷蔵庫に入れておいたご飯を適当に食べて出社した。
直樹の母美子も父大五郎も弟の祐樹も早朝
イタリアンレストランを出て行った。今日は、直樹の母の美子と弟の祐樹はドラマの撮影をこのイタリアンレストラン近くで行う事になっていた。直樹の父大五郎は一人で川越に帰る事になっている。
友人達は皆んな新宿が職場なので早朝イタリアンレストランからこっそり出て行った。
「おはよう〜あれ?もう皆んな出勤か〜。里奈ちゃん達もこっそり仕事に行ったんだね〜飲み過ぎた〜頭痛い!」
「直樹〜おはよう。皆んな仕事だって言ってたからもう店から出たんだね〜飲み過ぎだわ〜でも楽しかった。いい思い出になったわね。気の合う仲間と写メ何枚も撮って里奈ちゃんも可愛いかったわ。何着てもあんなに可愛く着こなせるなんて羨ましい。あんなふうに可愛く生まれたかったなー」
直樹は言った「美紗子は綺麗で美人だよ。なかなかいない美人顔だよ」
それを聞いた美紗子は顔を真っ赤にして「あ、ありがとう。私は高い鼻のツンとした感じに見えるところとか顔がシャープ過ぎて冷たく見えるところとか自分の顔が嫌いなんだー。直樹にそう言われると嬉しいよ」
「美紗子〜それだけの美人なのにコンプレックスなんて贅沢だよ。さあ昨夜の残りのご飯温めて食べるか〜おっと〜忘れてたよ。三田君三田君朝食食べて社長に頼まれた仕事するぞ!起きろよ。おい、三田君の新人教育を兼ねての仕事なんだから。おい〜三田君」
「は、はい仕事ですね。まず皆んなが寝た布団を畳んでしまって朝食にしましょう」
そう言うと三田はテキパキと寝ていた布団を畳みだした。
それを見た直樹は言った「三田君家事はテキパキ凄く綺麗に布団を畳んでるね」
「うちは〜六人兄弟なんですよ。僕が長男です。両親は共働きなので家事のほとんどを僕が任されていました。そうだ先輩〜昨夜の残りの冷蔵庫のご飯アレンジして組み合わせてオリジナル料理作りましょうか?僕に任せてください」
直樹と美紗子は「本当に?嬉しいじゃあ早く布団しまっちゃいましょう」
そう言って三人は布団をしまい。イタリアンレストランの一階の食べるスペースに移動した。
「えーとあーこのサラダが残ってたから〜ドレッシングはこれを使って、先輩達は座っててください。僕に任せてください」
「でも〜手伝わなくて大丈夫?」
「大丈夫ですよ。僕は厨房のバイトもした事あるんですよ。先輩も覗きに来ないで座って待っててください」
直樹と美紗子は椅子に座って新人の三田の料理を待っていた。
「はいお待たせ」
そこには昨夜食べたビーフシチューに温泉卵チーズをまぶした焼きリゾットと昨夜のサラダに自家製ドレッシングをかけた柑橘サラダスープにはキノコを入れた満足スープという名を三田がつけて運んでくれた。
「美味しい。三田君は料理の天才だね凄いよ。いつも家でこんなに凄いの作ってるの?」
「食品ロスを無くすように余ったらアレンジして家族に食べてもらってるんです」
その言葉を聞いた直樹は「アレンジ?三田君このレストランの悪いところを書き出してリフォーム箇所を提案するんだが〜このレストランに足りないものってもしかしてアレンジじゃないか?」
「アレンジ?」
「そうアレンジこれから書き出すよ。美紗子 三田君。まずは従業員が寝泊まりする部屋だ。食べたら2階に行こう」
直樹は新人の三田を早く一人前にしたかった。
そして会社を辞めて美紗子のサポートをしたかった。
美紗子の為に〜。美紗子を少しでも楽にする為に〜。
早く主夫になりたかった。。。
この時の直樹はただそれだけしか考えていなかった。
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