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社長
直樹の会社の社長は新人の三田のメモを見ていた。「三田君、よくメモ取れてるね。そうだねー。自動ドアとスロープ確かにこのドア重いね。
お年寄りが最近来ないってこのレストランのオーナーも言ってたよ。なんとかしてほしいってね
それにレストランの壁ここはなんとか直せそうだね。後は〜二階かな?」
そう言って社長は二階の階段を登って行った。
「うーんここが二階か〜スケルトン確かにいい考えだが〜コストかかりすぎないか?うちの材料を使ったとしても〜壁とかはいい考えだと思うけど〜そうだ!木原君一部をスケルトンにして後は壁と同じような作りにするのはどうかな?
その方がコストはかからないと思うんだ。壁の材料は木原君が頼んでくれるんだよね?モデルのお母さんと弟さんに」
木原は「はい。頼んでみます」
「これでいいだろう。後は三田君の料理を食べるだけだ。私と木原君と木原君の奥さんにそのアレンジ料理を作ってくれないか?相当美味いと聞いたからお腹空かせて来たんだ」
木原は「任せてください。今日はフワトロオムライスと具沢山のスープを作ります」
三田は張り切っていた。でも、そんな三田の満遍な笑顔を見る事ができるのは後数回しか残っていなかった。
「三田君、本当に会社を辞めるのか?明日ここのオーナーが君に会いに来る君の料理の話を木原君から聞いてその事を伝えたらテストをしてくれるみたいだよ。厨房の材料からアレンジ料理をオーナーに食べさせてくれ。それが美味かったら合格だそうだよ。それでいいんだね?」
三田は言った「はい、僕は料理を作ってる時が一番楽しいんです。でも「泉」株式会社は給料がいいから家族を楽にさせたくて、僕は六人兄弟の長男なんです。だから〜」
社長は言った「なら君が将来自分の店を持って稼げばいいんじゃないのか?」
三田は「僕が?そんな事〜」
社長は「とにかく今は料理を頼むよ。そして木原夫妻は明日から近くのロイヤルホテルで新婚旅行だ。楽しんでくれよ」
三田は「それじゃあ早速フワトロオムライス作ってきます。具沢山のスープも添えて」
三田は張り切っていた。
一時間後本格的な料理に社長 木原直樹 美紗子は笑顔で「美味しい、美味しい」と言いながら三田が作ったアレンジフワトロオムライスと具沢山のスープを頬張っていた。
そう。。。この時がここにいる全員一番幸せに満ちている時間だった。
三田はこの後、数年の間に変わってしまうことになる。
そして木原直樹も数年後徐々に変わってしまうのだった。そして更に数年後三田と木原は運命の悪戯によって再び逢うことになるのだが〜その時の二人はまるで別人だった。。。
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