第二章

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第二章

 クラス合同のプール授業は六月半ばから九月半ばまで週二回のペースで行われる。うち一ヶ月は夏休みと被るため、数えると十数回ほどしかない。別クラスの深山と話せるこの機会を活かし、彼との距離を縮める必要があった。  しかし、いくら話しかけても深山は心を開いてはくれなかった。初回の印象が良くなかったのだろう。雨の影響で通常の体育に切り替わったり、どちらかが学校を休んでしまったりする可能性を考慮すると、チャンスは残り少ないかもしれない。深山の傍若無人(ぼうじゃくぶじん)っぷりは日増しにクラスメイトたちを遠ざけている。正直なところ、僕は焦っていた。
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