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ゲームスタート?
「数代おきに婚姻し子を授かる」というしきたりがあると聞いた時に、「ゲームとか小説みたいだな」と、思ったんだ。
でもね、色々お話をお父様とか専属の従者から説明されて。
えーと、クレイドル家は1人か2人と授かれる子供が少ない。
けれど、王家との相性が良くて子供が必ず2人も授かれる、とかを教えてもらったの。
だから、それなりの理由があるってことで納得したんだ。
ちなみにお父様は「しきたりは破るためにある」って絵本で見た魔王さまみたいな恐いお顔で言ってた。
けど、それって難しいよね。
専属の従者も「しきたりを守る意味ってなんですか?」ってすごく難しい哲学的なこと言い出したりしてたけどさ。
「色無し」の僕みたいのと結婚してくれるのだけでもありがたいよね。
ちょっと「育成ゲーム」の設定なの?とほんのり思ったけどね。
残念だけど、この世界の基準だと僕ってダメダメなんだって。
色の濃い髪色や瞳が良いとされる世界で僕は白髪にピンクの瞳。
ぼんやりした色の組み合わせ。
僕としては白髪とか異世界転生っぽくて、すごく気に入っているんだけど。
ピンクの瞳とか僕お気に入りのベリー味キャンディみたいで美味しそうだしさ。
でも、どうしてもこの世界の人には受け入れづらいみたいで。
ピコンッ!
あ、現実逃避していたのに、まだコレ消えてなかった。
僕の目の前には、青白い枠の半透明ウインドウ。
『清く正しく美しいヤンデレを目指せ!』と日本語で書いてある。
僕、すっごいびっくりしたんだよ。
だって、久しぶりに日本語見たのに、漢字もカタカナも読めちゃうなんて義務教育すごいなーって。
義務教育をちゃんと受けた僕は、清く正しく美しくの意味はわかるんだけど、この『ヤンデレ』って何?
ヤンデレって何かわかんないんだけど、デレって付くからツンデレみたいなモノなのかな。
ピコン!
あ、ウインドウって触ったら、手に透けちゃうんだぁ! すごーい! 手に青白い色が透けてキレイ。
ふふっ、ゲームみたいっ!! 透けたまま、テーブルのお菓子にも触れちゃう!
『Lv1step1 「この手を離さないで」と手を握りながら、婚約者に言ってみよう!』
ん? 文字がかわっている。
ええ? ま、まさかこれを婚約者のあの子に言うの?
ちょ、ちょっと、それは難しいかも……。
だってあの子にだよ??
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