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気が付くと、目の前に血みどろで倒れている自分がいた。
そこはアパートの下にある花壇だった。俺の頭は花壇のブロックにかち割られていた。
Yシャツの襟に赤い血が染みている。
夕刻。
西日が、俺の身体を朱く染めている。
それを見下ろしている、俺。
俺の身体は動かない。目の前のこれは死体で、俺は幽霊らしい。
俺は上を見上げた。
アパートの上の部屋から落ちたようだ。
落ちた・・。本当に?
気が付くと、俺は自分の部屋にいた。
幽霊だから、意識を集中させただけで、そこに行けるようだ。
窓際に、俺の字で、宿題に使うような原稿用紙に書かれた文書を発見した。紙がぐしゃぐしゃで、字も殴り書きだが間違いなく自分の字だ。
もういやだ
生きててもつらいだけだ
死にたい
つぐなわせてやる。あいつらに。
じぶんのしたこと。後悔させてやる。罪悪感を感じろ。一生後悔しろ。
そう書いてあった。
頭を打った所為か、筆跡は分かるのに、肝心な事は覚えていない。
俺、いじめられてたのか?
死んだとはいえ、それを忘れるなんて・・。ごめん、俺。
自殺したのか。俺。
やがて俺の死体は発見され、救急車、パトカーがやって来た。
霊安室で、母が俺にすがりついて泣いた。
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