第3章 8月1週目 初デートを断る方法

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「ううん、待ってない」    嘘をついた。  私の汗だくの服を見れば、きっと誰でも嘘だと気づけただろう。  でも、望くんは「よかった」と言いながら、私の汗にまみれた手を取った。 「えっ!?」  私は咄嗟に手をはらった。 「ごめん、嫌だった?」  望くんは、申し訳なさそうな顔で私に尋ねた。 「ちがっ……汗が……」 「汗?」 「私の手、汗がいっぱいで……」 「あ、そういうことね」  望くんにようやく意図が伝わってすぐ、再び望くんは私の手を取った。 「えっ!?」 「とりあえず、中入ろう」 「ちょっと……待って!」  望くんは、そのまま汗まみれの私の手を握ったまま、ショッピングモールへと私を連れて行った。
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