後悔と懺悔

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後悔と懺悔

 見渡す限り岩だらけの赤茶けた大地が、今では活気に満ちている。 『いつ追い出されるかわからない』という恐怖が消え『自分たちの土地を発展させる』という明確な目標が持てるようになると、人々はやる気を増強させ、開拓は飛躍的に進んだ。   フロンティアに戻ったレイは、あとから移住してきた美しい娘と所帯を持ったあとも、年老いたサワをこれまで以上に大事にした。  数年の月日が流れた。  サワとレイは並んで丘の上に立ち、夕日が地平線に沈むさまを眺めていた。 「あの日、お前を神の世から連れ戻したのは私のエゴだったんじゃないかとずっと考えているの。」  オレンジに溶ける夕日に向かって、サワは独り言のように呟いた。 「目をつむったお前は本当に穏やかな顔をしていてね。このまま神の世で暮らせたらきっと幸せが約束されていると確信できた。」 「母さん、それは違うよ。」  レイはサワの言葉を優しく否定する。 「悲しみも苦しみも愛する人と共にあれば喜びに変わる。俺はこの地に産んでくれたことと、この地に呼び戻してくれたことを母さんに感謝しているよ。」   それを聞いて、サワはうつむいた。
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