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日が暮れると森の中は真っ暗で何も見えない。少し開けた場所に出たサワはそこで野宿することにした。
大きな岩の上に寝そべって見上げれば空にはこぼれんばかりの星が光っていた。
「レイ、どこにいるの?」
サワが呟くと星の精は瞬いた。
「あの子は星の子。星を繋いで物語を紡ぐ。あの子の居場所を照らしてあげよう」
一筋の流れ星が流れた。その光を見失わぬよう、サワは跳ね起き駆け出した。
真っ暗な森をサワはひた走る。
星に願うは愛しい我が子の無事ばかり。
いくつもの星が流れた先には古い祠があった。
「ここに、レイがいると言うの?」
サワは躊躇うことなく祠の扉を開けた。
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