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夏の終わりの花
「.........っ、今年こそはっ‼︎」
そう意気込んで玄関で靴を履くのは、
私、青島花子(あおしまはなこ)。
〝夏の終わりの花〟
そう呼ばれる花があって。
それは、奇跡的に咲く青い花。
その花を、
見つけるために、毎年頑張っているのだ。
私は現在、高校3年生で、
花探しも、かれこれ6年目。
今年も、
1人で探そうと思っていたのに............
「おい、また今年も行くわけ?」
靴を履いて、
玄関の外に出た瞬間声をかけられた。
「......っ、ひーくん、関係ないでしょっ‼︎」
見つかってしまった焦りと、
〝関係〟のない彼にヤリのような言葉を投げる。
私の目の前にいる男の子。
彼の名前は、汐野氷雨(しおのひさめ)。
物心ついた頃から近くにいる、
私の〝幼なじみ〟で、
名前に〝氷〟が入ってるからか冷たくクールな男の子。
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