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だから、
今年も絶対行ってくれないと思っていたのに......
「......いや、関係ないけど、俺も行く」
ひーくんから聞こえたとんでもない言葉。
「.........え、えっと、ふざけてる?」
普段のひーくんじゃ、
あり得なさ過ぎて、思わず言葉を発すると。
「いや、ふざけてねぇし」
少々怒ったかのように声を出すひーくん。
「.........っ、じゃあ、なんで......っ?」
今まで誘っても、
1回も一緒に来てくれなかったのに.........
期待半分、不安半分で聞いてみると。
「......っ、お、お前が1人で行ってるって聞いたから」
珍しく、
ほんの少し頬を赤ながらそう言うひーくん。
そんなひーくんを、
見るのはレアで、思わず顔が緩む私。
「ふふっ、そっか、ありがと」
「バカ!笑うなよ、行くぞ」
そう言って、
ぎゅっと手を握ってくれたひーくん。
なんだか、今年は、
──────〝夏の終わりの花〟が見つかる気がした。
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