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「......ここ、か?」
ひーくんと手を握ったまま歩いて、
〝夏の終わりの花〟が咲く場所へとやってきた。
「......っ、うん。ここ......、」
そう発した、
私とひーくんの目の前には、一面のお花畑。
その中に、〝夏の終わりの花〟はなくて。
見つかる気がしたのに、
やっぱりむりだったから..................
(今年も無理か......っ、)
そう、心の中で呟いた瞬間。
ひーくんの手が離れる感覚がして。
その直後。
「.........〝夏の終わりの花〟ってこれ?」
一輪の花を指さして聞いてくるひーくん。
「.........っ、え、待ってこれ、
〝夏の終わりの花〟だ......っ、ほんとに青い」
今までいくら、
探しても見つからなかったのに............
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