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侑が〝マボロシの白い花〟の、
目の前から去って1時間が経った。
「............っ、なんで、」
なんで、まだ、
〝マボロシの白い花〟がここにあるか?
それが分からないまま、ボーっとしていると。
「...............真美?」
背後から声が聞こえて来た懐かしい声。
それは、侑より前に付き合っていた元カレの声。
「............っ、秦?」
振り返らないまま、名前を呼ぶと。
──────ギュッと背後から抱きしめられた。
それと同時に感じたのは、懐かしい秦の温もり。
「............、会えるとか、思ってなかった、」
うそ、嘘だよ............っ。
〝マボロシの白い花〟の、
目の前なら、会えるかも?って少し期待してた。
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