マボロシの白い花

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*** 侑が〝マボロシの白い花〟の、 目の前から去って1時間が経った。 「............っ、なんで、」 なんで、まだ、 〝マボロシの白い花〟がここにあるか? それが分からないまま、ボーっとしていると。 「...............真美?」 背後から声が聞こえて来た懐かしい声。 それは、侑より前に付き合っていた元カレの声。 「............っ、秦?」 振り返らないまま、名前を呼ぶと。 ──────ギュッと背後から抱きしめられた。 それと同時に感じたのは、懐かしい秦の温もり。 「............、会えるとか、思ってなかった、」 うそ、嘘だよ............っ。 〝マボロシの白い花〟の、 目の前なら、会えるかも?って少し期待してた。
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