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荷物をまとめたチイたちは、飛行場から宇宙船に乗った。鉱夫専用の引き上げ船で、たくさんの人が乗っている。
チイはヒクルに会える気がして、彼の姿を探した。
「夏の間に引き上げ船は来なかったから、そのヒクルって子も絶対にこの船に乗っていると思うよ」
お父さんはそういったが、何度探してもヒクルの姿はない。
「この船が最後の引き上げ船だよね?」
「だな。この船にいないなんて、そんなはずはないんだけどなあ」
お父さんは困った顔をしている。
「ヒクル、どこへ行っちゃったんだろう……」
チイの心配をよそに、宇宙船はゆっくりと離陸した。
ヒマワリ畑があった場所の横から、しだいに高度を上げていく。
チイは宇宙船の窓から、ヒマワリ畑の跡を見下ろした。
「あっ……」
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