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しばらく進むとヒマワリの背が低い開けた場所に出て、お父さんの姿が見えた。
チイはほっとして、男の子にお礼を言った。
「案内してくれてありがとう」
「どういたしまして」
「私はチイ。あなた名前は?」
「僕はヒクル。チイ、君は見ない顔だね」
「お父さんのお仕事で、最近この星にきたの」
「そうなんだ」
「ねえ、ヒクル。また会えるかな。年が近い子があまりいなくて」
「いいよ。僕もあいたい」
「ありがとう」
チイとヒクルは約束をかわし、そのまま手を振って別れた。
心配したお父さんがチイのほうへ駆け寄ってくる。
「チイ、大丈夫か?」
「うん。ヒクルがここまで案内してくれたの」
「ヒクルって?」
チイは彼がいた開けた場所を指さしたが、そこにヒクルの姿はなかった。
「あれ? いない」
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