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「あなたのホクロに胸を打たれました」
プロローグ
「あなたのホクロに胸を打たれました」
さて、この問いに対してどう返答すれば正解なのだろうか。いや、返答すべきでない、が正解かもしれない。
私の唯一のコンプレックス。眉間に凛と存在している。高校からはずっと前髪で隠してきたはずなのに、どうしてこの人は私の醜い塊のことを知っているのだろう。
こんな難問にどう答えろというのだ。通り過ぎていく電車の風に顔をしぼめながら、私はただ立ち尽くすしかできなかった。
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