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S 55
驚いてる翠里を抱き上げてベッドに下ろした。
「やだったら言って?」
ゆっくりと押し倒していくと、翠里は俺を見上げながらきゅっと唇を噛んだ。
前にも言ったな、このセリフ。
「な? 翠里…」
ずっと前、越してきたばっかりの頃。翠里を初めて抱きしめた時に。
翠里は俺をじっと見つめ返して、小さくこくりと頷いた。
や…ば…
頷いた? 頷いたよな? 頷いたよな、今!
ドキドキ ドキドキ ドキドキ
動悸がすごくて身体が揺れてる感じがする。俺の身体の下にいる翠里が、潤んだ目で俺を見上げていた。
さすがにこの角度で翠里を見るのは初めて、だな。
今朝、上には乗られたけど。
気付いて慌ててたの、すっげ可愛かった。
「好きだよ、翠里」
赤くなった鼻の頭にちゅっとキスをしたら、翠里が顎を上げた。
『キスって…きもちいーね…』
さっきそんなことを呟いた愛らしい唇に口付ける。
「…っ」
翠里の細い腕が俺の首に絡みついてきた。
すげ…
『オレも好き』って言ってもらえてる気がする。
深く唇を合わせて翠里の熱い口内を舐め回すと、翠里が俺の首を、頭を撫でる。ちょっとくすぐったい。つい笑ったら翠里も笑った。
めっちゃ可愛いし、マジで
ちょっと顔が見たい、って思って、ちゅって唇を離して翠里を見下ろした。
俺を見上げる大きな目はキラキラ輝いてて、上気した頬もキスで赤く濡れた唇もすげぇ可愛い。
こんな可愛い翠里が俺のもの…
やべ…
顔、勝手に笑うし
「…慎…ね…」
翠里が首に回した手に力を込めて俺を引き寄せる。
「ん?」
ちょっと恥ずかしそうに見上げてくんの、たまんねぇな
「…もっと、キス…して?」
うわ…
「…翠里…キス、好き…?」
ちゅっ、て軽く口付けて訊いてみた。
「うん…すき…。だから…慎…」
して、って言った唇から舌が覗いている。その舌をぺろりと舐めた。
…なんか、予想外想定外でアタマおかしくなりそ…
まあ、翠里は割と人肌が好きなタイプだから…。肩組んでも嫌がらないし、雷が過ぎ去ってもなかなか膝から降りないし、ベッド狭いのに一緒に寝たがるし。
友達でそれだったんだから、恋人なら…。
舌を絡め合うキスをしながら、パーカーの裾から手を入れて薄い腹をそっと撫でた。
「…ん…っ」
翠里がびくっと身体を震わせて、俺のTシャツを握った。呼吸が荒くなって腹にのせた手が上下する。手のひらでゆっくりと円を描きながら、腹から胸へと動かしていく。
「ん、ん、ん…っ」
指先が翠里の胸の先端に触れると、翠里は身体をくねらせた。
声、聞けるかな…
絡んでくる翠里の舌を宥めながらキスをほどいていき、ちゅっちゅっと赤い唇を軽く吸ってやる。翠里は口をハフハフさせて薄く目を開けた。
パーカーの中で翠里の肌に触れる。見えないから手探りだ。
また指が胸の粒に触れた。翠里がぴくっと震える。
「ん、ん…あ…あ、あん…っ」
うわ、かわいー…
普段より高い掠れた声が、濡れた唇から漏れた。
もっと聞きたい
指先で小さな粒を弄ると、芯が通って硬く勃ってくる。
「や…っんっっ、慎…っ、それ…っ」
「いや?」
パーカーから手を出して、翠里の頬にキスをした。
ちょっと調子に乗り過ぎたか。しくったな。
「ごめん、翠里。じゃ、このへんで…」
「ま、まって…っ、慎…っ」
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