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S 57
なんとなく、翠里は奥手なタイプだと思ってた。
墓穴を掘りそうで怖かったから恋愛関係の話はしたことがなかったし、性的なこともあまり話題に出さなかった。
だから今のこの状況は嬉しい誤算だ。
キスを繰り返しながら翠里の細い身体を抱きしめた。肌と肌がぴったりと触れ合っている。
俺に抱きついてるから翠里の胸はガラ空きだ。その無防備な胸に手を這わせた。翠里がまたぴくりと身体を震わせる。背中に触れている翠里の指先に力がこもった。
手触りのいい、すべすべの肌を手のひらで撫でていく。丸みのない真っ平らな男の胸に、どうしようもなく興奮している。
もちろんそれは翠里限定だ。
小さな胸の粒の周りを指先でゆっくりと撫でると、翠里が身をくねらせて喉奥でくぐもった声を上げた。
聞かせてくれっかな、声
やっぱ恥ずかしがるのかな
初めはくすぐったいだけ、らしいけど、さっきの反応は悪くなかった。
身体の反応なんて人によって違うだろうしな。
でも何より、触らせてくれるのが嬉しい。
周りを何周もゆるゆると撫でてから、胸の先端に触れた。
「…んっ」
翠里の舌が強張った。その舌を舐め回しながら、指の先で胸の粒を弄る。芯が通ってツンと尖った先端の感触が指に心地いい。
翠里は細い身体をくねらせて、脚をもじもじと動かしている。スウェットのパンツ越しに翠里の興奮が見て取れた。
萎えてねぇな
ならまだ「嫌だ」は出ないだろうと思いたい。
「…あ…っ」
唇を離したら、翠里の口から甘い声が漏れた。その唇に軽く口付ける。
「声、可愛いね、翠里」
「あ、あ…ん…っ」
勃った乳首をきゅっと摘むと、また翠里が声を上げた。そこを弄りながら首筋に唇で触れる。
「ひぁ…っ、あ…あ あん…っ」
や…っば… 可愛いっ
びくびくと身体を震わせてる翠里の首筋を、ちゅっちゅっと軽く、痕を付けないように吸った。
痕、付けてぇ…っ
でも見えるところは駄目だってぐらいは解ってるし、勝手に付けんのも駄目だと思う。
「…はっあ…あ…、慎んん…っ」
翠里の手が弱々しく俺の背を伝った。
首筋から鎖骨、そして胸へと唇を落としていく。背中が反って胸を突き出す格好になるのがいやらしい。
まだ触れていない右胸の先をぺろりと舐めた。
「…ああんっっ、や…っあ」
濡れた声が腰に響く。
乳首全体を口で覆うようにして舐めると、あっという間に先端がピンと勃った。それを舌で転がすように舐め回す。
「あ あ あ…っ、慎っ、慎…も…」
「いや?」
胸に唇を当てたまま訊くと翠里が切羽詰まった顔で首を振った。
「…ちが…、あの…オレ…っ」
真っ赤な顔をした翠里が脚をもじもじ動かすのが視界の隅に映る。
あ…
「…もしかして…結構やばい…?」
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