Misato 62

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Misato 62

 慎の匂いがする。  大好きな慎の匂い。  あれ? なんか枕の感じがいつもと違う…。  ていうか、身体全体に心地のいい圧迫感がある。  …抱きしめ、られてる…  すっごい気持ちいい…    そうだ  昨夜、慎に告白されて…  自分も慎のこと好きって気付いて…  それで…っ  …キス、とか…した…  とくん とくん とくん  慎の手が、唇が触れるのが気持ちよくて、なんか…  いっぱい触ってほしくなって…  お、思い出したら恥ずかし…っっ 「…翠里? 起きてるの?」  あ…  おでこ、ちゅっ、て… 「ほんのりピンクんなってきて、すっげぇ可愛い…」  ふふって笑った慎が、また額にキスしてくれた。  うれしい はずかしい でもうれしい  もぞもぞと腕を動かして、慎にぎゅうっと抱きついた。慎の胸に顔を埋める。  どんな顔したらいい…?  慎、昨日のオレのことどう思った…?  可愛いって…、言ってくれた、けど… 「おはよ、翠里」  慎がおっきい手で頭を撫でてくれる。 「…お、おはよ…、慎…」  オレは慎の胸に顔をくっつけたまま、ぼそぼそと応えた。 「翠里、それくすぐったいよ」  慎がくすくす笑う振動が伝わってくる。 「…だって…」  顔見られんの、恥ずかしいんだもん 「恥ずかしい?」  そう訊かれて、慎の胸に顔を埋めたまま、うん、て頷いたら「そっかそっか」って言った慎が、よしよしって頭を撫でてくれた。 「俺も恥ずかしい。つか、めっちゃ照れくさい」  オレをぎゅうっと抱きしめて、慎が頭にキスしてくれる。 「…翠里、めっちゃ可愛かったし、色っぽくてやばかった…」 「え…」 「びっくりして…サイコーだった…」  そう呟いて、ちゅっちゅってキスしてくれながら、慎はふふって笑って大きな手でオレの背中を撫でてくれてる。  あったかくて気持ちいい、慎の手のひら。  だいすき 「…さいこー?」 「うん、サイコー。大好きだよ、翠里」    うわ…  うれしい…っ  おずおずと顔を上げた。慎の顔、見たい。 「お、今日もかわいーね、翠里」  慎こそ朝からキラキラだ。カーテンの隙間から入ってくるお日様にも負けないくらい輝いてる。  格好いい オレの慎  だめだ。ニヤニヤしちゃう。 「ははっ。めっちゃ可愛いね。どうしよ、これ、こんな可愛くて」  オレの頬にまた、ちゅってキスしてくれた慎の大きな手が顎にかかる。  あ…、キス、する…?  したい  顎を上げたら、慎がくすって笑った。その笑った唇が近付いてくる。  キス  昨日の朝はしなかった。      
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