M   73

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M   73

「ん…っ」  放出の快感が背骨を伝う。やっと唇を解放されて、足りなかった酸素をはふはふと吸っていると、慎に片腕でぐいっと抱き寄せられた。  慎の唇が耳たぶに当たる。 「ごめん翠里。俺あとちょっとだから…いかせて?」    う わ…っ  興奮で掠れた慎の声、めちゃくちゃセクシーだ  やばい また勃っちゃうっ  整わない息を荒く吐きながら、慎の手を外させた。 「手伝って」って意味だったの解ってたけど、1人でしてあげたい。  慎はちょっと驚いた顔をしてる。その顔を見ながら、両手で慎の太い性器を撫でた。 「…く…っ」  それから、片手で擦りながらもう一方の手で先端を弄る。ゴムの内側が先走りで濡れてるのが分かった。慎がオレの肩に額をつける。  息、熱い…っ  今にも弾けそうになってきた慎の性器を強めに擦ったら、慎が息を詰めた。  …あ…っ  手の中で脈打つように動いて白濁が吐き出されていく。  すごい…なんか…、生々しくてドキドキする。  自分のだってこんなまじまじと見たことない。    人がイクとこ初めて見た…っ  昨夜はそんな余裕なかったから…  オレの肩に額をくっつけてる慎を見た。まだ眉間に皺を寄せてて、上気した頬を汗が一筋流れ落ちてる。そして、ふぅっと息をついてオレの方をちらっと見た。 「…サンキュー、翠里。すっげよかった…」  ボソッと言った慎が、オレの肩に顔を擦り寄せる。 「ふふ…、まじで? よかったぁ…」  うれしい  ゴムは着けるより外す方が難しくて、2人でわたわたしながら外し合った。  慎重にゴミを片付けて、服をちゃんと直して改めてぎゅうっと抱きしめ合う。  慎が下ろしてくれないから、ずぅっと膝の上にのったまんまだ。ゲームの音楽はやっと止めた。 「…重くない? オレ」 「全然…。膝にのっけてんの、すっげ幸せ」  ほんとに嬉しそうに慎が笑う。 「中1…だったよね。最初にこうやってのっけてくれたの」 「だったな。翠里を好きって自覚して、どうにか理由をつけて触りたくて…、っていうね、ヤバいやつ」 「あはは。オレはさ、雷怖いからすごい嬉しかったよ?」 「そっか」  中1、と言えば…。 「…井上さん、久々に会ったね。野中さんと鈴木さんにも」 「だなー。相変わらず賑やかだったな」 「うん…」  その時のことを思い出して、慎をぎゅうっと抱きしめた。 「翠里?」 「…小学校の時、もらったね、チョコ。井上さんに」 「ああ、みんな貰ったよな。俺らのグループ」  わざわざ訊かなくてもいいこと、訊こうとしてる。
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