748人が本棚に入れています
本棚に追加
M 73
「ん…っ」
放出の快感が背骨を伝う。やっと唇を解放されて、足りなかった酸素をはふはふと吸っていると、慎に片腕でぐいっと抱き寄せられた。
慎の唇が耳たぶに当たる。
「ごめん翠里。俺あとちょっとだから…いかせて?」
う わ…っ
興奮で掠れた慎の声、めちゃくちゃセクシーだ
やばい また勃っちゃうっ
整わない息を荒く吐きながら、慎の手を外させた。
「手伝って」って意味だったの解ってたけど、1人でしてあげたい。
慎はちょっと驚いた顔をしてる。その顔を見ながら、両手で慎の太い性器を撫でた。
「…く…っ」
それから、片手で擦りながらもう一方の手で先端を弄る。ゴムの内側が先走りで濡れてるのが分かった。慎がオレの肩に額をつける。
息、熱い…っ
今にも弾けそうになってきた慎の性器を強めに擦ったら、慎が息を詰めた。
…あ…っ
手の中で脈打つように動いて白濁が吐き出されていく。
すごい…なんか…、生々しくてドキドキする。
自分のだってこんなまじまじと見たことない。
人がイクとこ初めて見た…っ
昨夜はそんな余裕なかったから…
オレの肩に額をくっつけてる慎を見た。まだ眉間に皺を寄せてて、上気した頬を汗が一筋流れ落ちてる。そして、ふぅっと息をついてオレの方をちらっと見た。
「…サンキュー、翠里。すっげよかった…」
ボソッと言った慎が、オレの肩に顔を擦り寄せる。
「ふふ…、まじで? よかったぁ…」
うれしい
ゴムは着けるより外す方が難しくて、2人でわたわたしながら外し合った。
慎重にゴミを片付けて、服をちゃんと直して改めてぎゅうっと抱きしめ合う。
慎が下ろしてくれないから、ずぅっと膝の上にのったまんまだ。ゲームの音楽はやっと止めた。
「…重くない? オレ」
「全然…。膝にのっけてんの、すっげ幸せ」
ほんとに嬉しそうに慎が笑う。
「中1…だったよね。最初にこうやってのっけてくれたの」
「だったな。翠里を好きって自覚して、どうにか理由をつけて触りたくて…、っていうね、ヤバいやつ」
「あはは。オレはさ、雷怖いからすごい嬉しかったよ?」
「そっか」
中1、と言えば…。
「…井上さん、久々に会ったね。野中さんと鈴木さんにも」
「だなー。相変わらず賑やかだったな」
「うん…」
その時のことを思い出して、慎をぎゅうっと抱きしめた。
「翠里?」
「…小学校の時、もらったね、チョコ。井上さんに」
「ああ、みんな貰ったよな。俺らのグループ」
わざわざ訊かなくてもいいこと、訊こうとしてる。
最初のコメントを投稿しよう!