M   87

1/1
前へ
/121ページ
次へ

M   87

「…ん、んっ」  服の上から慎の手のひらが胸を撫でた。  撫でられて、少し尖ってきた胸の粒を指先で弄られる。  布越しのもどかしい感触。直に触ってくれたらもっと気持ちいいのに。  あと…舐めたり…  でも、部屋に鍵はかけてあっても親が家にいるから、慎はそこまではしない。  ほんとはもっと長く、触れ合いたい。  最初の夜みたいに、素肌で抱き合いたい。  ゴム着けないで、慎の性器の先端が濡れてくるのを感じたい。 「ん…っ、は…っ」  オレの身体のあちこちを撫でていた慎の手が止まって、ちゅっと唇を離された。 「…ちょっと物足りない、な…」  じっと目を覗き込まれて、小さく頷いた。 「ふふ…、素直で可愛いなぁ翠里は…。俺もさ、ほんとはもっと触ったりキスしたりしたいけど…。でもそうすると我慢できなくなりそうだから…、ごめんな?」 「…がまん…?」  訊き返したら慎がちらっとオレを見た。そして左手でオレの口を覆って、右手は背骨を辿って撫で下ろしていく。 「…っ」  おしり…っっ  慎を跨いでるから開いているおしりの谷間を、慎の長い指が進んでいって、服の上から後腔を円を描くように撫でられた。 「ん…っ、ん…っ」  そんな…とこ…っ 「…ここにさ、挿れたい、俺の…」  慎の指が奥の入口を撫で続けてる。脚は閉じられないし、口はふさがれて声も出せない。  そこに…慎のを…? 「…翠里のナカ、入りたい…」 「んん…っ」  ヒトに触られたことのない所を撫でられてぞくぞくする。  そこ、直に触られたら…どうなっちゃう…?  しかもナカ…ナカに挿れるって…っ  痛いぐらい勃ってる性器が、下着の中で窮屈さを訴えてる。  息も苦しくて涙が滲んできた。 「…ごめんな、翠里…」  慎の指がおしりから離れて、口を覆っていた手も外された。 「…っはっは、はぁ…っ」    肩で息をしながら、慎にしがみついた。慎はオレの背中を撫でてくれてる。  慎に脚も絡めて抱きついた。お互いの性器がお腹に当たる。心臓は壊れそうなほどに脈打ってる。  …慎の、すっごいし… 「…は、はいるの…? こんな…おっきいの…」  ドキドキし過ぎて上擦った変な声になってる。 「ん…。ちゃんと時間かけて…、痛くないようにするから…」  ちゅっちゅって宥めるみたいにキスをされた。  慎のしてくれることは全部気持ちいい  キスも、触るのも…  だから… 「…うん…わか…った…」  声、掠れてカサカサだ。 「ありがと、翠里…。じゃあ…今度…、な?」  ぎゅうっと抱きしめられて、ドキンと胸が鳴った。    うわ、なんか…っ 「今から」より「今度」…って、余計にドキドキする…っ  どうしよ…なんか…すっごい…っ 「…慎、…ね、はや…く…っ」 「ん?」  優しくキスしてくれてた慎の頬を両手で包んで、その目を覗き込んだ。  脚をもっと開いて慎に身体を擦り寄せる。 「はやく…さわって…っ」  慎が目を見張ってオレを見て息を飲んだ。 「…や…っば…。「今度」が「今」になりそう…っ」  呟きを唇に吹き込まれて口付けた。    もういっそ、今でもいいのに…  身体の奥が熱い  ねぇ慎、「今度」っていつ…?  
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

755人が本棚に入れています
本棚に追加