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その翌週だったか、もう蝉の声も無くなった頃、私とFはいつもの場所で缶コーヒーを飲みながらパチンコを打っている関口を待っていた。
「しかし、セキも好きだな…」
「まあ、セキがパチンコ勝ってくれるから俺らも飲み食い出来るんやけどな」
そんな話をしながら笑っていると、公園の向こうから見たような奴が歩いて来るのが見えた。
そしてその男は私たちに気付き手を上げた。
「あれは…」
「うん、大村だな…。この間喧嘩した…」
Fはその言葉に頷いて、そこから出て、大村に手を上げた。
「おお、此処に居ったか…」
大村は小走りに私たちのところまでやって来ると、ポケットから缶コーヒーを出して私たちにくれた。
「なんや、もう飲んでたか…」
ベンチに置いた缶を見てそう言う。
「ああ、何本でも飲めるから」
私は受け取ったコーヒーをベンチに立てた。
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