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「実はさ、幼馴染でよ、俺と同じ痣がある奴が居るのよ…」
幼馴染で同じ痣…。
私は眉を寄せて頷く。
それを見て大村は微笑むと、
「同じ頃にそいつにも痣が出来て、どんどん大きくなって行ってるんよな…」
大村は自分の掌の痣を親指で押す。
「そいつの痣もどんどん大きくなっている」
Fはコーヒーをすする様に飲むと、缶をベンチに置いた。
「その子は何処に痣あるん」
「ああ、首」
と大村は自分の首の横を指差す。
「女の子やろ…」
とFは言う。
「え、俺、女って言うたかな…。何でわかるんや…」
Fはまた微笑み、顔を伏せた。
何故か私にもその幼馴染が女の子だと分かっていた。
「実はさ…」
大村はその痣が出来た時の事を話し始めた。
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