水彩

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「なぁ…それ楽しい?」 「楽しいよ」 「水に絵の具垂らして楽しいとかほんと変わってる」 「なぜ?面白いじゃん色が変わって」 「そうかもだけど…」 「そんな不思議そうに見ないでよ」 「心配してるんだよ俺は」 「へぇ〜そうなんだ…。」 「水に絵の具垂らして楽しいっていうお前のこと考えを心配しないでどうする」 「これ見てるとさ、落ち着くんだよ僕は」 「なんで?」 「人間の心みたいにころころ色が変わるから」 「…と言うと?」 「人の心はコップなんだよ。 そのコップは初め綺麗な水が入っていて そこに色んな色を入れていく でも、少しづつ濁って行くんだ。 黒いインクを垂らしてさ 傷ついたらその分濁る元には戻らない 濁った水は濁ったまま…」 「だから…どうするんだ?」 「誰かがその濁った水と綺麗な水を替えてあげなきゃいけない。 濁りが消えるように注ぎ続けないといけないんだ。君が僕にしたみたいにね♪」 「………ちょっとした気まぐれだよ」 「照れなくてもいいのに♪」 「照れてない!」 (ほんとに…僕を見つけたのが君でよかった…)
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