海の彼方に何を見る

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 そして数日後、曾祖母は荼毘に付された。  あの写真は愛用のバッグごと棺に入れられ、祖母と一緒に灰になった。  多分、それでいいのだろうと思う。  お骨は我が家に持ち帰り、四十九日の法要の際に納骨されることになった。  きっと、その頃にはすっかり涼しくなって、夏の暑さも姿を消していることだろう。  曾祖母の長い長い夏は、ようやく終わるのだ。 (了)
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