第五幕 燃えよ剣児!

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第五幕 燃えよ剣児!

 断じて言うが。最初は叩きのめすつもりなどなかった。  ただ相手はかなり凶暴な。  カラーギャング気取りの不良グループだと言うので。  用心のために木刀を持っていっただけである。あくまで自衛のためだ。  だが。明らかに武器を手に駆けつけて来た剣児を見て。相手は激昂した。  吠えるだけが取り得のバカどもだ。  自分と相手の力量の差など、考えもしない。  剣児とて、やられる気は毛頭ない。  殺されても、数年後コイツらは平気な顔でシャバに戻ってくる。  殺され損だ。なんの益もない。ならば受けて立つのみ。  殴りかかってきたヤツの脳天を正面から打ち下ろす。  鉄芯入りの木刀だ。その衝撃で頭蓋骨が割れて顔面から地面に激突。  右から飛びかかってきた者は、柄で突き上げて前歯とアゴを砕いてやる。  左から蹴ってきた者は、横殴りの一撃で顔面を陥没させてやった。  後ろからきた者は眼球をついてやった。  嗚咽をもらして地面を転がり回る。  残りの一人は。ナイフを抜いて、身構えている。  ギャングの殺し屋にでもなったつもりか、フットワークを使ってリズムを取っているが。体のバランスがメチャクチャ。攻撃も防御もできてなく、そもそも構えになってない。  こいつは鳩尾に突きをお見舞いしてやった。  内蔵破裂。白目を剥いて悶絶。衝撃で失禁している。
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