ある日の言の葉・2

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ある日の言の葉・2

 年月が経てば人は変わる。少なくとも色々なことがある。もちろん、私も。壊れた心が言動を狂わせる。怖くて、悲しかった。20年前と変わらない彼が見え隠れするの。恋愛じゃないけれど両片思いしていたような告白。  何度でも思い出して、今どうしているだろうと思いを馳せる相手。世の生きづらさを憂い、苛立ち、それでもしっかり生きようとする。すごく似ていて近い存在。  ああ、きついなって思った。でも、嫌いになれない。やっぱり思いを馳せるんだろうって。それでも、やっぱり恋じゃないの。  次の日にプレゼント渡して去って行った。20年前と変わらぬ笑顔で。……ホント、ドラマのシーンじゃないんだからさ。そこも含めて、らしいんだけどね。肝心なところは読み違えて、墓穴掘る。けれど、やることなすことマンガや映画のワン・シーンみたく格好付け。ああ、ラスト・シーンだ。そう思った。  私は彼が死ぬまでプレゼントは身に付けないし、葬式にも行かないと思うし、2度と会うことはないと思う。壊れた心が暴走しない限り、ラスト・シーンが変わることはない。ただ、特別な位置づけのまま互いの人生を閉じるんだろう。友人でも、恋人でもない。関係性のしっくりくる名前は無くとも。そんな出会いもあるんだね。 人生色々。何があるかわからないのが人生。本当にね。  最近ね、楽しかったことをよく思い出すの。彼との活動だけじゃなく、友人と遊んだこと、旅行行ったこと、話すのが楽しかった人達のこと……インドア派なりに活動していたなって。無性に懐かしくて、同時にものすごく過去のことで。  今は、なんだろう。ひとつひとつじっくりやりたい? 感じ。好きなこと、やりたいこと、色んなことをひとつひとつ確認して、素直な感情に従って生きていきたい。頑張れない時は気が済むまで休みたい。そんな感じなのよ。気持ちが変化している気がする。年をくったってことかしら。  ああ、眠いわ。暑くて眠れなかった分、涼しくなって体が睡眠を求めるの。生活があるから心ゆくまま眠るってことは難しいけれど眠れるだけ、小分けでもいいから眠ろうと思う。そしてゆっくり元気になって私は好きなことをするわ。誰にも会う気分になれなくても、楽しむことはできる。そうよね?  あなたも元気で在りますように。平穏で在りますように。それでは、また。近況報告でした。
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