17人が本棚に入れています
本棚に追加
「これ。私の結婚式、もう近いけど、まつりは準備する間もないんじゃないかと思って。一式持ってきた。新品じゃないけど、一二回しか使ってないから。まつりと同じ体形で、ほんと助かるわ。」
みつるが中を覗くと、クリーニングのシートに入った服やら、靴やら、新品のストッキングやら、小さ目のバッグやら、化粧ポーチやら、いろいろなものが入っていた。
ご祝儀袋まで入っている。まつりの名前も書いてある。みつるはすっかり恐れ入ってしまった。
「じゃ、私行くわね。あとよろしく。」
立ち去ろうとする美鈴に、みつるは
「僕までご招待いただいちゃって、ありがとうございます! まだ知り合って日が浅いのに。」
と頭を下げた。
「あんたはまつりのナイトなんだから。当然でしょ。まつりのこと、よろしく頼んだわよ。」
よろしく頼まれたみつるがその本当の意味を知るのは、だいぶあとになる。
最初のコメントを投稿しよう!