その翌日

2/3
前へ
/51ページ
次へ
「これ。私の結婚式、もう近いけど、まつりは準備する間もないんじゃないかと思って。一式持ってきた。新品じゃないけど、一二回しか使ってないから。まつりと同じ体形で、ほんと助かるわ。」  みつるが中を覗くと、クリーニングのシートに入った服やら、靴やら、新品のストッキングやら、小さ目のバッグやら、化粧ポーチやら、いろいろなものが入っていた。  ご祝儀袋まで入っている。まつりの名前も書いてある。みつるはすっかり恐れ入ってしまった。 「じゃ、私行くわね。あとよろしく。」  立ち去ろうとする美鈴に、みつるは 「僕までご招待いただいちゃって、ありがとうございます! まだ知り合って日が浅いのに。」  と頭を下げた。 「あんたはまつりのナイトなんだから。当然でしょ。まつりのこと、よろしく頼んだわよ。」  よろしく頼まれたみつるがその本当の意味を知るのは、だいぶあとになる。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加