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美鈴への祝辞
「『ご紹介に預かりました、早瀬川まつりと申します。美鈴さんと初めて出会ったのは、世田谷美術大学、版画科の教室でのことでした。』あ、こういう風に始まるんだ。」
みつるはさらに読み進める。
「『初めて会った美鈴さんは、女優さんのように美しく、人目をひく存在でした。半面、とても気さくな性格で、美術家としての才能にも溢れ、私たちはすぐ友達になりました。』おいおい、ほんとのことなんだろうけど、自分で言うか?」
確かに美鈴は女優並みに美しい。性格も、まあ、気さくと言えば言えなくもない。
気が強くて、ちょっと乱暴、とは、みつるの口からは言えない。
その後も読み進める、遠藤みつる。驚いた。全文、美鈴への賛辞に溢れていた。
最後は
『そんな美鈴さんと結婚できる男性は、本当に幸せ者だと思います。美鈴さんのことを、変わらぬ愛で、大切にしてあげてください。』
と結ばれていた。
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