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「青い爪ってさ。強くなった気になれるのよね。」
美鈴が手の指を眺めながら、ぼんやり呟く。その手の指には、先ほどまでは真珠色のネイルが施されていた。
「できたよ。」
まつりは美鈴を見上げる。
「ありがと。完璧ね。このペディキュア、南国リゾートのプールに映えるわ。」
言っていることと、静かな声のトーンが、まるでちぐはぐだとまつりは思う。
「どこだっけ?」
とまつり。
「バリ。」
と美鈴。
「……ほんとに行くの?」
「行くに決まってるでしょ。」
まつりはなんだかたまらない気持ちになって、美鈴の膝に絡みついた。
「じゃあ、私も行く。」
「だーめ。仕事たくさんあるんでしょ。遠藤みつるだって、放っておいたらかわいそうじゃない。」
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