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酒呑童子との戦いは凄惨極まり、たくさんの部下が犠牲になっていった。
口から餓鬼を吐き出し量産、仲間を使い撹乱、いろんな手を使って戦力を削いでくる。
流石に疲弊しきり、戦況が厳しくなって一時撤退を図ったものの、追手をけしかけられ、それぞれ隠れ潜みながら隙を伺うことになったそんな時。
金虎の元に“神の使い”を名乗る者が現れた。
“お前は鬼族を狩りつくす宿命のもとに産まれた我々の愛し子”
という言葉を残し、金虎にあの手強い大鬼をも斬れる戦斧と、ある作戦を授けてくれた。
その頃の酒呑童子は街から奪った酒をかっくらい、攫った数人の姫を他の鬼たちにも当てがい、宴を楽しんでいた。
酒呑童子
「人間は大したことねぇなあ!」
嗤ってたらふく姫という肉を喰らい、1人生き残っている姫を抱え、ぐぅすかと眠りについた。
それに近づく1人の武士、坂田金虎。
酒に酔い、真っ赤になった鬼の首に振り下ろされる戦斧。
ごとり。
眠っていた酒呑童子の首を落とすと、鈍い音を立てて転がる。
奇妙な物音に気づいて目覚めた仲間たちも倒し、姫を救い出すといった偉業を成し遂げた。
金虎
「都を侵していた酒呑童子はこの我が倒したぞ!!」
そうして酒呑童子のだらりと舌が垂れた生首を高々と掲げ、追いかけてきた周りを囲う数多の魑魅魍魎を退けた、その話はあっという間に都に広がり、一躍時の人となる。
金虎はそれに快感を覚えた。
美しい姫は感謝して坂田金虎の元に降嫁し、褒美として立派な屋敷、そして財宝をたっぷりもらい大金持ちになった。
それはそれは喜び、田舎村にも話が届いて、これならあの男もまともになるのではと喜び湧いた。
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