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不幸ヤンキー、”狼”を守る。【終】
気が付くと幸は病院に居て、そして傍らに変態狼こと哉太が居た。彼の姿を見て幸はふて腐れる。
「…そんで。…なんで俺はここに居る? しかも、あんたと一緒に」
すると哉太は少しむくれていじけるような発言をする。そんな筋骨隆々の男が可愛らしくしても幸は何も思えないのだが…。
「え~、冷たいこと言わないでよ~?」
「言うわ。変態」
そんな彼に変態狼はわざと甘えた声を出す。
「花ちゃんが怪我してるし、花ちゃんの身内もいないんだからさ~。…もっと嬉しそうにしてよ?」
「俺は怪我したから分かるけど、あんたが無理やり病院に来る方がおかしいと思うんだけど…」
幸の嫌味など気にせずに哉太はニヤついていた。…その姿に幸はムカつく。
「いいじゃ~ん、俺が来た方が嬉しいでしょ? …あれれ~、誰だったかな? …あの犯人がもう既に弱っていたのに殴りつけて、そんで気絶させて? …殴ったのが傷害罪じゃなくて正当防衛だって果敢に言ったのは…誰だっけ…?」
「いや~。来てくれてアリガトーゴザイマシタ」
「だからなにそのカタコトの礼の言い方。…マジでウケる」
笑いながらサングラスを外して言い放つ哉太に幸は病室のベットで頭を掻く。
雪乃宮が逮捕された後、体中が傷付いていた幸は被害者として救急車へと搬送されたのだが、彼の保護者として哉太が付いて来たのである。幸自身は何ともないと言っていが、彼を怪しんだ刑事から状況を説明を求められた挙句、自分が手を出してしまったことを口を滑らせてしまいどうしようかとなっていた時に助け船を出した哉太と親子のおかげで逮捕はされずに済んだのだ。しかも親子のおかげで大した怪我ではないのに個室へと案内されたのである。
「そういえばだけどさ~。…どうして俺にあいつを殺させなかったの。生かしたの? …花ちゃんの性格的に”慈悲”でだなんて思えないんだけど?」
「…ジヒ?」
無知であるが故に分かっていない様子の幸に哉太は軽く意味を説明する。
「あぁ。俺とか雪乃宮のことを心配してやったって意味ね?」
赤く透明な瞳に追及された幸は包帯に巻かれている腕を頭の上に置いてから語りだす。
「昔、俺がクラスの奴らに『彼岸花って名前は不幸な名前だ!』ってバカにされてキレてたことがあったんだよ。その時は自分の苗字は大嫌いだったんだけど…じいちゃんにそのことを言ったらさ、笑いながらこう言われたんだよ。…『死者に手向けられて、死者と繋げられる特別な花の苗字がそんなに怖いなら、そいつらは一生自分たちを守ってくれるご先祖様に顔向けできんな!』ってさ」
幸の発言に対し、哉太は面白いものを見つけたような顔をした。
「へぇ~。なかなか面白いことを言うおじいさまだね~」
「でも…その言葉でさ。…なんか考えが変わったんだよ」
一呼吸置いてから幸は言葉を紡いでいく。
「たとえ不幸な花かもしれないけど、特別な花なんだって。俺の本当の両親が死んだか生きてるかは分からないけど、でも、離れていても俺が死んだときは、俺が地獄へ堕ちない限りこの花が…彼岸花が結んで、繋いでくれるって。だから俺はたとえ不幸な人生を歩んでも、苦しいことがあっても、この花の名前を背負って生きていたいって思っただけ。…あんな身勝手な奴に死なれてみろよ?」
―あいつに傷付けられた人達に顔向けできないだろ?
自分の言いたい言葉を吐き切ったものの少し恥ずかしさを感じてしまい顔を背けようと動いた時であった。
突然両手を取られて壁に押し付けられたである。ただ…普段と違って優しく拘束されたように思えた。動こうとする幸の隙の瞬間を狙い、手を叩いて能力を発動させた哉太は身を乗り出して…彼の頬にキスを落とした。再び驚く幸に哉太は言葉を告げたのだ。
「ありがとう。…たとえ花ちゃんの正義感であっても、俺を守ってくれてさ」
「べっ別に守ったわけじゃない!! …親子の前で殺しなんか見せたくなかったからで―」
「それでもいい。凄く嬉しかったから。…優しくしたいけど、今日はいつもよりもエッチな花ちゃんが見たい…な」
幸の急所である耳元で囁き、首筋を舐めれば甲高い声が聞こえる。そして自身が付けた幸の右肩にある独占欲の塊の歯形をなぞれば、幸は声を上げさせまいと唇を噛みしめた。
「っん…、なんだよ…いきなり。ここはホテルじゃないし…。それに看護師さんとか―」
しかし哉太は相も変わらず呑気に答える。
「ダイジョーブ。多分来ないよ、ね?」
すると哉太は、幸の開発中の乳首を布越しに触れた。すると色黒の肌を真っ赤にさせて息継ぎに専念をする彼の姿に哉太の心は燃え上がる。
そして極めつけは幸自身が少しの愛撫というのに勃ち上がらせ、通気性の良い患者着を淫らな液で湿らせた。
「へぇ~。こんな少しのことで花ちゃんは感じるようになったんだ…。お兄さんは嬉しいよ?」
「…ちがう!!! これは、…汗で」
すると幸のズボンにいきなり手を突っ込んだ哉太は彼のパンツを引っぺがしてから見せつける。
「…その割にはネバネバしてるけど。…これも汗?」
「…っうっさい!」
「素直じゃないなぁ~。まぁ今日はここも開発をしてみようかね~?」
「…開発?」
すると哉太は幸自身の淫らな液を纏わりつかせてから強く上下に触っていくのだ。頭からつま先まで電流が走るような感覚に陥った幸は唇を噛みしめて耐えようとするが…声が出てしまう。
「あっっ、やぁっっっ…!!! 出るから…。ダメぇっ…
「今日は射精かせてあげたいけど…本番はこっち」
今度は動きを止めてから哉太の手に纏わりつく多量の濃厚な液を幸の穴になぞり込み、長い人差し指でかき回すような行為をしたのだ。後ろに入れられて息苦しさを感じるが、両手は壁にしっかりとくっついて離れずにいるので幸は哉太に訴える。
「こんなのゴーモンだ…。気持ち悪い…。もう早く…出させてくれよ…?」
涙でいやらしげに訴える幸の顔を見て哉太の心が滾らせてしまう。
そして幸自身を触ろうと考えるが、彼は我慢し、何かを掘り当てた彼はその部分をいじれば…今度は幸の体がビクつかせ彼自身が驚いたのだ。
「な…に、今の? なんか…また何かが…走って…?」
驚愕をする幸に悪戯に笑った哉太は集中的にその部分…前立腺を攻め付けていく。
甲高い声を上げてしまいたいがここは病室。うるさくならないように口を閉ざすが、それでも吐息が漏れてしまうのだ。
「っっんん!!! っんぅ…そこばっか攻めたら…やぁっっ…!!!」
悶え苦しむ幸に哉太はわざと性感帯の幸の耳元で囁いた。
「射精きなよ…? ラクになれるから…さ?」
すると哉太は指を何本も後孔に挿入ては幸を射精かせようとした。その快感に呑まれた幸はもう限界であった。
「っっっはぁっ。…っあ……!!!」
幸自身が白濁の液を放出されるが、彼は息を荒げ哉太に憎らしげな視線を送ってから…今日の疲れが出たのだろう。深い眠りへと誘われるのであった。
すると哉太は意味深な言葉を呟くのだ。
「これから”狼”争いの戦いが幕を開けるんだな…」
その一言を聞かずに幸は眠りにつくのであった。
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