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第12話:いわゆる魔装狂戦士ってやつ
084が覚醒し、魔装少女エメラルド・オオハシに変身、ジェネラル・ソナーを追い込んだ!
さらに続々と魔装少女が集結する!
「まったくぅ・・・厄介なもんだぜぇ・・・」
飄々と言い放つジェネラル・クロウ・・・
「クロウ!わざわざそんなことだけを言いに来たアルか?」
「いやぁ・・・前回の『借り』というわけじゃないがぁ、そろそろ『アレ』をやってもらわねえとなぁ・・・」
ん?相手には奥の手があるらしい・・・私達は何が起きてもいいように身構えた。
「そうアルね。仕方ないアル・・・・」
袋から何かを取り出すジェネラル・ソナー
「何するつもり??」
私達は警戒しながら見ていたが、彼女の手には驚くべきものが握られていた。
「!!」
「ミラージュ・ドライバー!!なぜ?!」
「ハッハァ、これはロザリア様からいただいたカオス・ドライバーだぜぇ。お前らの物とは明らかに違う代物だぁ。まぁ、『追い込まれ時に使え』との命令だから初めて使うがなぁ・・・」
余裕で応えるジェネラル・クロウ
「いくアル!赤き星の混沌の源よ!私に力を!ルナティック・フォース!魔装狂戦士ソナー!クロー・フォーム!」
するとソナーは赤い光に包まれ変身した。
私達と同じような近未来風のコスチュームだが、黒をベースにしてところどころに赤いラインが入っているのが異なる。
そして、両手には武器であろう鉄の爪が装着されていた。
「ハッハァ、魔装少女同志の戦いかぁ・・・こりゃ愉快だぜぇ・・・お前らも今までのモンスターとの闘いのようにはいかな・・・グフッ・・・」
「え?これは一体!」
高笑いをしていたクロウが急に話を止めた・・・
一瞬、私達も何が起きたかわからなったが、クロウの腹部に深々と爪が突き刺さっていた。
「ど・・・同志討ち?」
「ウワアアアアアア!」
ソナーが吠える。よく見ると、目の焦点が定まっていない・・・
「ん?まさか・・・暴走か・・・ロザリアはこれを危惧して忠告したのか・・・」
さすがに何かに気づいたのか、ノワールも焦りの色を見せる。
常に冷静なヤツにしては珍しい反応だ。
「ま・・・まさかぁ、仲間にやられるとはぁ・・・油断したぜぇ・・・」
バタッ・・・
今までとは打って変わって抑揚のない声で話しながら崩れ落ちるクロウ・・・黒い霧のようなものに包まれた後・・・そこにはヒビの入った土人形が転がっていた・・・
「まさかこれがクロウの正体?!」
「・・・みたいだな・・・」
動揺する私達・・・
土人形の傍らには、黒い球体が転がっていた。
「あっ!」
すぐに私は気づいた!それはグーン神官の力を封じた玉だ!
それを取り戻そうにも目の前には暴走したソナーが・・・
そして、それを拾い上げたのはジェネラル・ノワール・・・
「クロウの置き土産か・・・これは私が有効に使わせてもらおう!」
「それをこっちによこせ!」
「素直に聞く敵がどこにいる・・・」
「ウオオオオオ!」
会話の最中だったが、両手に爪を装着したソナーが今度はノワールに襲いかかろうとする!
「これはまずいな・・・いったん引いて体制を立て直すか・・・」
暴走したソナーを放置して逃げるジェネラル・ノワール・・・
おいおい、元凶がすぐに撤収するなよ・・・
「まずい、空間が歪み始めたぞ!」
カイナさんが叫ぶ!
そう、ジェネラル・クロウが倒されたことで、周囲の空間が異世界から孫軒に戻りつつあった・・・
「ならば、こうすればいいではなイカ!」
オオハシの横にいた緑色のイカ、ゲソリンが呪文を唱えだした!
すると、さらに周囲が変化し、私達は空が緑色の空間に転移した!
「イカちゃんあんた有能!」
文句ばっかりの青い山羊とは大きな違いである。
「なんや、マリンこっち見て・・・なんか言いたいことでもあるんか?」
「ううん、何でもない・・・ねえ、このまま結界に放置して私達が撤収するってのは・・・」
これ以上戦いたくない私はこのような提案をした・・・しかし・・・
「無理ッス、ゲソリンの結界は長時間持たないッス。」
オオハシがそう応えた。
「マリン・・・あなた酷いこと言うわね。結界内に放置した状態で、もし脱出されでもしたら、現実世界に被害出ちゃうでしょうが・・・」
すかさず突っ込むチャンチー、確かにそうか・・・
「・・・ってことあたしたちが倒さなきゃいけないって事か?時間制限付きで・・・」
渋い顔をするカイナさん
「そうッスね。」
「あーあ、結局戦わなきゃいけないってことかあ・・・」
暴走する敵を相手に再び身構える私達であった。
「ひいい!にしても無茶苦茶な攻撃でヤバいッス!」
ソナーは今までの戦い方とはうって変わって手当たり次第、力任せに攻撃している。
まさに狂戦士状態である。
「まずは足止めしないとな・・・」
カイナさんが言い放つ・・・
「だったら!私に任せてください!」
チャンチーが呼吸を整え、斧を構える!
「ヴァイオレット・スパークリング」
斧に雷を帯電させ一撃を放つ
「グアアアア!」
しかし、どこから出ているのかわからないような叫び声をあげ、難なくソナーはその攻撃を受け止めた!
「ここで終わりじゃないですよ!」
紫色のスパークがソナーの体を包み込む!
「よしっ!動きを封じ・・・きれてない?!」
先ほどよりは動きは鈍くなったものの、まだソナーの勢いは変わらない!
ひいい・・・強敵!
そう思ったのもつかの間、驚異的なジャンプ力で私にとびかかるソナー!
「うわっ!」
よけきったと思ったが、不完全だったために二の腕をわずかに切られてしまった・・・
うっすらと血がにじむ・・・
「マリン!!」
「こ、こわ・・・腰抜けた・・・」
「ビビってる場合じゃない!相手は手加減なしだから下手したら死ぬぞ!」
わかってはいるのだが、ここまでヤバい敵は久しぶりである。
4対1なのに全く有利に感じない・・・
「足止めならばこちらもいくッス、エメラルド・トルネード!」
オオハシの見事な鞭さばきでソナーの周囲に竜巻が起きた!
「この竜巻ならしばらくは抜けられないはずッス、さっきも・・・ウソ?」
なんとソナーは竜巻の中から驚異的な跳躍で飛び出し間合いを詰めてきた!
「無茶苦茶ッスよ・・・」
「おい!マリン!何とかできないのか・・・」
この状況に焦りだすカイナさん
私は四人の中で一番手数が多いとはいえ有効打が見えない・・・
「う・・・どうしよう・・・」
決めかねているが、考えている時間はなかった。
でえい一か八か!
「チェンジ!ソード・ブラスター・フォーム!」
再び砲台のエンブレムをとりつけミックスモードで応戦することにした。
「グアア!」
叫び声と共に爪を振り下ろすソナー!
しかし、タイミングを合わせチェーンソーで爪の攻撃をはじき返す!
「よしっ!」
反動でのけぞるソナー!
この隙にチャージ!
のけぞった瞬間、ブラスターで狙おうとしたが・・・
なんとソナーは不自然な体制のまま私の腹部をめがけて爪を突き出した!!
「よけられない!」
「あ・・・私死ぬかも・・・」
一瞬走馬灯のようなものがよぎりかけた・・・
その時である。
「バカ!諦めるな。ブルー・ブレイザー!」
とっさに青い炎を至近距離でぶつけたカイナさんのおかげで爪の軌道がそれ、地面に突き刺さった!
とてつもない力の攻撃だったせいか爪が地面から抜けなくなっていた。
これはチャンス!もはやこれを逃したら勝ち目はないという状況で、私はバズーカを構えた。
「ルーンチャージ!いっけええ!至近距離ダイヤモンド・ブラスター!!」
私はありったけの力を込めて光線を放った!
「グヲオオオオオ」
恐ろしい断末魔の叫び声をあげてジェネラル・ソナーが吹き飛ばされた!
そして・・・
「うそ・・・」
ひび割れた仮面は完全に砕け・・・顔があらわになった。
そして、その顔は紛れもなく転校生でありラーメン屋の看板娘、孫宙奈であった・・・
「あれ?どしたある?」
周囲の状況が把握できないのかきょとんとする宙奈
「いや、どうしたもこうしたもないんだが・・・」
頭を掻きながら話をするカイナさん
またこの展開なのね・・・
まあ、なんとか助けられたから良かったけど・・・
この展開まさか二度目とは・・・
と言いながらついついチャンチーを見てしまう私であった。
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