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第11話:いわゆる084覚醒ってやつ
カップラーメンを食べそびれた本間先輩、チャンチー、大橋クンと私は孫軒に行くことにした・・・
孫軒は晩ご飯時なのでぼちぼち混雑している。
「リンリンいらっしゃいある。今日はたくさんで来たあるね。」
店に入るとすぐに宙奈が声をかけてきてくれた。
「宙奈、今日もお店手伝ってるんだ。」
「そうある・・・みんなリンリンの友達あるか?」
「うん、同じクラスのチャンチーは知ってるよね・・・先輩の本間さんと後輩の大橋クン」
「ん?オオハシ・・・」
宙奈が大橋クンの顔を見て、一瞬表情が変わったように見えたが気のせいか?
「こんにちはっす!孫さん。うーん、ボクどこかで会ったっすか?」
「多分人違いある、気にしないで欲しいある。」
「へえ、ここ宙奈のじいさんの店だったのか。」
そう言いながら厨房を見る本間先輩、今日も大将は元気にラーメンを作っているようである。
「そうある。腹が減ったら食べに来いある。」
「宙奈、いったいどこでそんな言葉覚えたの・・・」
チャンチーはたまらずツッコミを入れてしまった。
「あ、テーブル今お客さんで一杯ある・・・とりあえずカウンターでいいあるか?」
「うん。いいよ。」
私たちはカウンターに横並びに座ることにした。
あらためて店内を見渡すと・・・
二人掛けのテーブルでラーメンを豪快にすする見慣れた人物が・・・
「あ・・・ぐんp・・・」
「皆さんでごはんですか~いいですね~」
「え?郡司先生も夕食ですか?」
「そうです、私は家庭訪問も兼ねて、孫さんのお宅にお邪魔していたのですが、せっかくなのでラーメンいただいて帰るところです。あまり遅くならないうちに帰宅してくださいね。」
とりあえず寄り道は校則では禁止されていないため、ぐんpもそれ以上は言わなかった。
あ、そういえば今日は学校へは行ったものの休みだった・・・
みんな一通り食べ物をオーダーし、雑談しながら待つ・・・
ほどなくしてラーメン、チャーハンとオーダーしたものが次々と運ばれてくる。
さすがに公の場なのでいつものような会話は控えることにした・・・はずだったが・・・
私はこの先の事を色々と考えてしまい・・・
「うう、さすがにソルトバンクの会社にはいけないよなあ・・・」
などとうっかり口を滑らせてしまった。
「ん、リンリンどしたある?ぱーぱの会社になんか用あるか?」
「あ、いやなんでもない。今日、CM撮影のエキストラがあってソルトバンクの社員さん来るかと思ったんだけど、いなかったからなあ・・・」
「そうだったあるね。あたしは店の手伝いあったから、行けなかったあるけど、何か気になることあるか?」
「あ、大丈夫大丈夫、大した話じゃないから・・・確かに土曜・日曜は、お店はかき入れ時だもんね~」
ふう、危ない危ない・・・うっかり調査に関してしゃべってしまいそうだった。
「ちなみにぱーぱは隣のカウンターにいるある・・・」
「うわぉっ、家庭訪問だから?」
唐突の登場にびっくりする私、確かに隣の座席にはスーツを着たがっしりめの中年男性が座っていた。
「ああ、宙奈の友達か~、私は宙奈の父親の孫 悟界だ!」
「ふん、久々にのこのこかえってきおってバカ息子が!」
カウンター越しに大将の怒鳴り声が聞こえる。
「いや・・・父さん・・・だからこのちっさいラーメン屋やめて、うちの事業を手伝ってほしいのですが~」
「いやじゃ、このリンリ・・・いや魔鈴ちゃんのような常連さんがいる限り、わしゃやめんぞ!」
「大将~、確かに大将のラーメンがないと困る~」
「だろ~、そういうことだバカ息子!」
孫家の問題とはいえ、こう言ってもらえるとちょっと嬉しい。
「店のお客さんをダシにしないでくれないか!」
「なんだと、急に来て言いたいことはそれか!」
「え~と、お店ですし二人とも、ちょっと落ち着きましょうよ・・・」
とっさにチャンチーもなだめに入る。
「なあ、宙奈からも、じいちゃん説得しておくれよ・・・」
「いやある。じーじの店手伝う方が楽しいある。」
「そんな~」
がっくりと肩を落とすソナパパ
「ははは・・・こりゃ、天下のソルトバンクの総帥もカタナシだな~」
手を叩いて笑う本間先輩、痛いところを突くなあ。
するとそこに遅れてスーツの男性が入ってきた。
「社長・・・そろそろ移動の準備をしなければ次の会議に遅れてしまいます・・・」
「ああ、そうか、すまんな。」
声の主を見て私達は驚いてしまった!
「!!お前は!!」
なんと現れたのは!
「土丘!いやソイル!」
「なぜここに、ダイナマイト♡マリンとカイナ姫、黒騎士・・・そしてグーン神官が!!
まあいい・・・絶好のチャンスだ!ここでまとめて始末をつけてやる!」
というが早いか土丘は咄嗟に黒い服、黒い仮面をつけた姿に変身!
私に向かって赤い石を投げつける!
「うわっと!っていうかまだラーメン食べてる最中でしょうが!!」
と私は思わずどこかで聞いたようなセリフを思わず言ってしまった。
唐突な攻撃であったが、とっさによけることができた!
・・・のはよかったが・・・
運悪くラーメンを食べていた女性客に命中する!
そして・・・彼女はスライムに変身してしまった。
「相変わらず容赦ない・・・あんた、バキバキ皇帝とは異なる力を身に着けたみたいね・・・」
「そうだな・・・今は、ロザリア三魔将のジェネラル・ノワールと名乗っている・・・
知っているぞ、そちらもダイナマイト♡マリンと異なる力を身に着けたらしいではないか、お互い異なる力どうしでの第二ラウンドという事になるな・・・」
「あら、もうバレてるみたいね。」
私はすぐさま剣のエンブレムを取り出し変身する。
「緑豊かな星々のその力の源よ!私に力を!ミラージュ・フォース!チェンジ!魔装少女001ダイヤモンド・マリン!ソード・フォーム!」
すると背後から殺気と共に声が・・・
「ノワール!そいつは私の獲物アル!手を出さないでほしいアル!」
「おやおや、ソナー・・・あなたもおでましですか!」
「ハッハァ。俺を忘れてもらっては困るぜぇ・・・」
さらに背後からおどけた声が・・・
「クロウ、あんたまで!」
「まさか、ここで三魔将全員集合するとはな・・・」
多少驚きの色を見せるジェネラル・ノワール
げ、ボスクラス三人にモンスターっていきなりやばい展開じゃないの・・・
「なんじゃ、なんじゃ、あとからあとから・・・ケンカなら外でやれい!」
厨房から怒鳴り散らす大将、この状況で怒り出すのもすごいな・・・
「・・・確かに、この狭さじゃ、こっちも闘いにくいぜぇ。行くぞ!クリムゾン・フィールド展開ぃ!」
「な!」
瞬時に孫軒から空間が変化し、岩と枯れ木しかない荒地に変化する。
いつものフィールドと異なるのは空が暗く澱んでいるところだ。
「ハッハァ!そちらの神官の技を使わせてもらったぜぇ!」
「クロウ!なんてやつ!」
私たちは怒りをあらわにする。
・・・とは言えこちらの二人も新たな力を得ている。
「緑豊かな星々のその力の源よ!私に力を!ミラージュ・フォース!チェンジ!魔装少女002サファイヤ・カイナ!ランサー・フォーム!」
「緑豊かな星々のその力の源よ!私に力を!ミラージュ・フォース!チェンジ!魔装少女003アメジスト・チャンチー!アックス・フォーム!」
本間先輩、千晶も続いて変身する!
「ボクもいるッスよ!」
084も続いて変身した!
「これで4対4ね!」
とはいえ幹部の能力は未知数、油断はできない。
「行くぞ!裏切り者!」
先陣を切ったのはサファイヤ・カイナ、そのままジェネラル・ノワールに突っ込んでいく!
あいかわらずだな~
「グーン神官の力、返してもらいます!」
アメジスト・チャンチーがジェネラル・クロウに向かって斧を振り下ろす!
「ちょっと!あんたたち!スライムどうするの?」
二人が幹部に向かって行ったせいで、私と084は取り残されてしまった。
結果、ジェネラル・ソナーとスライムを二人で対処することに・・・
「ボクには水晶を破壊する力がないッス!マリンさん、スライムをお願いするッス!」
二本の剣を構えながら084が言い放つ。
「OK、すぐに片付けるから、なるべくジェネラル・ソナーを引き付けておいて!」
私たちは二手に分かれた・・・
「行くッスよ!」
「ふん、残党の貴様が相手アルか!」
084はジェネラル・ソナーに向かって行った。
さて、私は・・・
「マリン、このゼリーの化け物、どう攻撃すんねん。」
「ヤギピー、ようやくお出ましね。」
サポートの青山羊、遅れての登場である。
「まさか、裏切り者のソイルがジェネラルなんたらを名乗って他の敵の配下になるとは・・・なんか情けな・・・」
「いや、アイツのことだから従ってるふりだけじゃない?何しでかすかわからないわよ。」
「そやな、ま~とりあえず目の前のスライムどうにかせな!」
「わかってるわよ!」
私はすかさずスライムに向かってチェーンソーを振り下ろす!
「どりゃあああ!」
ポヨン
「え?柔らかすぎて刃が通らない!」
「何やっとんねん!」
「ならばブラスターではじき飛ばすまで!」
私は素早くバックルの剣のエンブレムを砲台のエンブレムに入れ替える!
「いっけええ!」
バズーカから放たれた白銀の光線が、スライムのゲル状のコーティングを吹き飛ばす!
「えっ!!」
ゲル状の体が吹き飛び赤い水晶が露出した・・・までは良かったのだが、光線の威力が弱まりコア自体を破壊できていなかった。
しかも、吹き飛んだはずのゲル状の体はすぐさま再生してしまっている。
「あかん!どちらの攻撃も中途半端や!」
「せめて、チャンチー、カイナと連携攻撃が取れれば・・・」
と思ったのだが、彼女達は強敵と交戦中である・・・
「さて、どうしたものか・・・」
私がしばし考えこんでいると、ここぞとばかりにスライムが反撃する。
ビュッ!
どこからかはかわからないが、スライムはゲル状の粘液を吐き出した!
私はとっさによける・・・
「うわあ、なんかこの粘液、酸性で溶けるやつじゃない!」
粘液は地面に落ちたがシューシューと音を立てて地面にわずかに穴が開いた・・・
「あれやろ、定番の服だけ溶けるお色気仕様やろ・・・」
「エッチ!そういうヌルめの攻撃ならいいけど、骨ごと溶かされる強いヤツだったらシャレにならないわよ!」
そう、この展開どちらかがわからないのが正直怖い・・・
相手が全力で倒しにきているのであれば、わずかな油断もできないのである。
そこでヤギピーはいきなり提案し始めた。
「他のメンバーと連携が取れないんなら、一人で連携とればええんやないか?」
「そんなんできたら苦労しない・・・あ、そうか!」
「そや!『アレ』なら可能かもしれへん!」
「できるかわからないけど、やってみるしかないわね!」
私は、ブラスター・フォームのまま、さらにバックルに剣のエンブレムを追加した!
「チェンジ!ソード・ブラスター・フォーム!」
ミックスモードによって、私は右手にチェーンソー、左手にバズーカという武器満載の装備に変身した!
「ここは全力で行くわよ~!どりゃ!いっけえええ!ダイヤモンド・ブラスター!」
ブラスターでゲルを弾き飛ばしたのち
「でええいっ!ダイヤモンド・スラッシュ!」
バキーン!
むき出しになった赤い水晶をチェーンソーで破壊する!
「おお、やるやん!」
先ほどの一撃で赤い水晶は砕け散り、女性客をスライムから戻すことに成功した!
そして、赤い水晶は例のごとくエンブレムに変形した。
「ふう・・・さすがに重いし、負担が大きいわ・・・」
砲台のエンブレムを取り外し、ソード・フォームに戻る私・・・
しかし、ここで落ち着いているわけにはいかない・・・
ここにはまだ敵の幹部が三人もいるのである。
一方、ジェネラル・ソナーと084の戦いは拮抗していた!
二本の剣で斬撃を繰り出す084に対し、それをトンファーで受け流すジェネラル・ソナー
逆にソナーのトンファーの打撃を紙一重でかわす084!
「このままじゃ、らちがあかないッスね。」
「大技を繰り出さなイカ?」
「ふん、出せるモノなら出してみろアル!」
挑発とも聞こえるその言葉に反応するように、084は二本の剣を斜に構える。
そして・・・
「“真の一刀・夢ツ剣幻”」
その言葉と共に神速の斬撃を繰り出す!
そしてジェネラル・ソナーのトンファーを破壊する!
「くっ!武器破壊アルか!残党だと思って油断したアル!とはいえ・・・自分の武器の方も持たなかったアルね・・・」
トンファーを破壊したまでは良かったが・・・技の威力に耐えられず084の持つ剣も二本とも根元からボッキリ折れてしまっていた・・・
「自分の武器を破壊してどうするアル・・・」
「それはそちらも同じことッス!こうなれば素手で行くッスよ!」
ソナーにとびかかろうとする084!
だが・・・
「甘かったアル!予備の武器も所持しているアル!」
いうが早いか、腰からもう一対のトンファーを取り出すジェネラル・ソナー
「そんな!しまったッス!」
「さよならアルっ!」
トンファーを振り下ろそうとした瞬間・・・
「こうなればイチカバチかッス!」
「これは!なにアルか!!」
084の周りにまばゆい光が!
ベルトの一部が崩れ中から別の形状のベルトが出現、そしてとっさに084は鞭のエンブレムを装着した!
「緑豊かな星々のその力の源よ!私に力を!ミラージュ・フォース!チェンジ!魔装少女004エメラルド・オオハシ!ウイップ・フォーム!」
084は光に包まれ魔装少女のコスチュームに変身、手には鞭が握られていた
「まさか、084は“適合者”ではなかったはずではなイカ!」
「いや、何度か戦っているうちにこのドライバーの仕掛けに気づいたッス!
単に001ドライバーに適合できなかったのは、すでにこのドライバーに“適合”してたからかもしれないッス!
念のためにこの前の戦いでダイヤモンド・マリンからエンブレムもらっておいて助かったッス!」
「なかなか、やるではなイカ!」
「こいつ!量産型ではないアル!しかし、変身したところで大して強くなさそうでアル!」
「それはこの技を見てから言って欲しいッスね!エメラルド・ストーム!」
鞭を回転させ風を巻き起こすエメラルド・オオハシ
「くっ!」
強烈な風圧に押されるジェネラル・ソナー!
「フィニッシュッス!」
風の中から鞭が急に飛び出す!
「!!」
さすがのソナーもそれはよけきれず仮面に直撃する。
すると・・・仮面にヒビが入り顔がわずかにのぞく・・・
「くっ!油断したアル!」
「形成逆転ッスね!覚悟するッス!」
「お、084、やるじゃん。」
私は何とか084に合流することができた。
「マリンさん、今は魔装少女エメラルド・オオハシッス!」
「え?何が起きたの?知らない間にパワーアップしてるし・・・」
「まあ、それはおいおい話すッス!今は、ジェネラル・ソナーを倒すのが先決ッス!」
「そ、そうね!覚悟しなさい!」
「二人になったアルか・・・もう油断しないアル・・・」
「おっと、二人だけとは限らないんだな~」
「私たちも合流します。」
「チャンチーさん!カイナさん!無事でよかったッス!」
すると・・・
「ソナー!あの力はなんだ?カイナまでマリンと同じ力を使うようになっているぞ・・・」
「あーあ、こっちも結局、勝負つかずじまいかぁ・・・萎えるぜぇ。」
「ノワール!クロウ!お前らまでこっちに来たアルか!」
知らず知らずの間に敵味方ともに固まってしまったようである。
「どうやら一旦仕切り直しみたいね。」
スライムに変身した女性をもとに戻し、オオハシが覚醒・・・
この流れ、けして悪くないが・・・相手はどう出る?!
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