第16話:いわゆる伝説のプロトタイプってやつ

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第16話:いわゆる伝説のプロトタイプってやつ

私達はオオハシの話を元に、新たなドライバーを探しに行くこととなった。 「ボクがロザリアに最初に作らせたミラージュ・ドライバー・ゼロは強力過ぎるため、王城の隠し部屋に封印したッス。おそらくそれはロザリアも知らないはずッス。」 「つまり、それを取りに行けばまた変身できるってわけね。」 うわ~ありがちな展開・・・ 「マリン、ありがち・・・とか思ってるんでしょうけど、万が一の対策を取っておくのは大事よ。もし、ミラージュ・ドライバー・ゼロの方をロザリアに奪われていたら今頃どうなっていたことか・・・」 私の考えがわかったのかチャンチーが不意に口をはさむ・・・最近ますます勘が鋭くなったな・・・ 「チャンチーさん・・・想像したくはないッスけど、そうなった場合もうボクらには手の施しようもない状態になってたと思うッス・・・」 「うう、そうなってなくてよかった。」 よくよく考えると私達はギリギリのところで戦っているのかもしれない・・・ 私達は一階の奥の突き当りに到着した。 目の前には火のついていない燭台が・・・ 「うーん、何の変哲もない行き止まりなんだけど・・・」 「まあ・・・こうするッスよ・・・」 オオハシは迷うことなくその燭台をつかんでひねった・・・ 「え?」 するとゴゴゴという音と共に目の前の壁が動き始めた・・・ 「へえ・・・こんな仕掛けがあるとは驚きだな・・・」 思わず感嘆の声を上げるカイナさん そして目の前には小部屋が・・・ 「なるほど・・・隠し部屋アルか・・・」 その部屋の中央には・・・ 「よかった。無事ッスね・・・」 ミラージュ・ドライバーが安置されていた。 「これを装着すれば変身できるのね。」 「あ・・・他のドライバー同様にEGOパーツ・・・皆さんがエンブレムと呼んでいる物が必要になるッス。」 「とはいえ、今まで手に入れたものはドライバーごとロザリアに奪われたわよ・・・」 そう、使用可能なエンブレム・・・ことEGOパーツは、今はロザリアの手の中だ・・・ 「うわ・・・万事休すか・・・」 頭を抱えるカイナさん、が・・・ 「マリンさん先ほど手に入れた”∞”のEGOパーツも奪われたッスか?」 「あ!それならある!」 そう先ほどの戦いで入手した∞のエンブレムだけはまだポーチでなくポケットにしまい込んだままだった・・・ 「よかったッス!それを使うッス!」 「で、変身できてもやっぱり試練があるんでしょ?」 「う・・・どのような試練になるかは正直ボクも予測不可能ッス。」 「確かに・・・私もカイナさんもそうでしたからね・・・」 「今までの流れからすると、マリンの分身とやらに料理対決とか挑まれるんじゃあないか・・・」 「それを乗り越えたらドライバーの力を制御できるアルか?」 「まあ・・・そうなりますね。」 この前の二人の流れからなんとなく想像がつく。 私はドライバーの力を得るためには自分とへんな対戦して勝たないといけないのか・・・ 覚悟を決めて私はミラージュ・ドライバー・ゼロを身に着けた。 そしてZのEGO・パーツを装着する。 その後、頭に浮かぶ文字を読み上げる。 「天高く輝く幾千万星々の力の源よ!新たな世界へ導く力の源よ!我が手に集え!ミラージュ・フォース!チェンジ!000 ジルコニア・マリン インフィニティ・フォーム」 今までの装備には似ていたが純白をベースにシルバーのラインが入っており、さらにはマントなんかもついている。 そして・・・ 「なんだか体がすごく軽く感じるんだけど・・・」 「そう、何を隠そう使用者の潜在能力を極限まで引き出す・・・これがミラージュ・ドライバー・ゼロの力なのではなイカ!」 自慢げに話すゲソリン 「お疲れ~、マリンも毎回毎回衣装変わって忙しいやっちゃな~」 「黙れクソヤギ!」 ドライバーを強奪されて一時的にいなくなっていたヤギピーも復帰した。 「しかし、ここからが問題ッスね。」 「試練の時ではなイカ?」 「ゴクリ・・・」 思わず唾を飲み込む私・・・ カイナさんの試練の時と同様、黒い塊がドライバーから・・・4つ?? 「な?」 「え?」 「なんスか?」 「なにアルッ!」 その4つの塊は瞬時にカイナさん、チャンチー、オオハシ、ソンソナを飲み込み黒い姿に変化した。 「新タナル適合者ヨ・・・キサマヘノ試練ハ、仲間ヲキズツケズに我ヲ倒ス事ダ!」 身に着けたドライバーから無機質な声が放たれる・・・ 「ぎゃー!なんで自分の時だけガチ対決なのよ!しかも、4人をいっぺんに相手にしなきゃいけないなんて!」 黒い塊と同化した4人が私の前に立ちふさがる・・・ 「マリンさんすまないッス、体が言うことをきかないッス!」 鞭を振り下ろしながら謝罪するオオハシ! この装備なら楽によけられはするが、反撃していいものか? 「マリン、ちゃんと考えて対策せ~よ!」 「わかってるって!」 ヤギピーのいうとおり、作戦なしで反撃すれば仲間を傷つける事になるかもしれない・・・ 「よけて!」 私が混乱して動けないでいるさなか、スキを突くようにチャンチーの斧が振り下ろされた! 警告を発さなければ直撃するところだった。 「油断するな!」 と言いながらカイナさんが槍で突きを放つ! 身体の自由は取られているようだが、言葉は自由に発することが出来るようだ。 「マリン、解決手段を早く見つけるアルッ!どこかにヒントが隠されてるかもしれないアル!」 蹴りを放ちながらそう言い放つソンソナ・・・ ん?ひょっとしたらこの新しいフォームにヒントがあるのかも・・・ ということで私は一か八か呪文を唱える 「えーい、怪我したらごめん!クレイジー・ジルコニア・フラッシュ」 その『力ある言葉』と共に私を中心に12本の光線が放たれた! 「ダカラ傷ツケテハダメダト・・・」 ドライバーが無機質な声で警告を発するが、それを無視し、私は大技をぶっ放した! その技の威力は凄まじいもので黒い塊はアッという間に消し飛んだ・・・ ・・・まではよかったが、技の力が強すぎたせいか4人全員が衝撃で弾き飛ばされてしまった・・・ 「マリンさん、いきなり最大出力の大技はいくら何でもヤバいッスよ・・・」 「ドアホ~!殺す気か!」 「マリン、酷いアル・・・マジで殺す気だったアルね・・・」 オオハシ、カイナさん、ソンソナが次々非難の声を上げる。 「いやいや・・・こうするしかなかったし・・・みんな無事だし・・・チャンチー何とかして~」 三人に詰め寄られ、慌てふためく私はチャンチーに助けを求めたが・・・ 「・・・サイテー」 「わ~ん、チャンチーまで~」 「うそうそ・・・マリンの事だから調整できることがわかって使ったんでしょこの技・・・」 「いんや、フルパワー・・・」 「やっぱサイテー・・・私のフォロー返して・・・」 私の正直な回答にすごい顔で睨み返すチャンチー・・・ 「マリン・・・己はいっぺんボコらんとわからんようだな・・・」 「そうアル、成敗アルっ!」 「ひ~」 と、最後にカイナさんとソンソナにシバかれるという半ば無茶苦茶な展開ではあったが、私は新たな力により「ジルコニア・マリン」に変身することが出来るようになったのである! 待ってろロザリア、そしてジェネラル・ノワール!最終決戦は近い・・・と思う・・・
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