0人が本棚に入れています
本棚に追加
第17話:いわゆるロザリアとの最終決戦ってやつ
・・・ということで、なんだかんだあったけど
新たな力を手にいれることによってダイヤモンド・マリンに変身することが出来るようになった!
おそらくロザリアがいるであろう謁見の間を目指した。
「この階段を上がればいいってわけ?」
「そうッス!階段の先の大扉を開けばもう謁見の間ッス!」
オオハシのナビを頼りに私達は謁見の間へと急ぐ!
「ん?扉が開いているぞ・・・普通、閉まっているもんじゃないか?」
カイナさんがいぶかしげに言う・・・
「確かに・・・そうッスね。」
「ここまで来て罠などいかけるつもりもないぞよ・・・待ちくたびれておったぞよ。」
謁見の間の奥から声が聞こえる・・・その声の主はまごうことなき宿敵ロザリア!
「あのね・・・そういってそのまま入るバカはいないわよ・・・」
とチャンチーがいうさなか・・・
「え?そうなの?じゃ、遠慮なく。」
といって、私は歩みを進めていた・・・
「そのまま入るバカがいた~!!」
私以外の四人がそう叫ぶ・・・
「くくく、かしましいとはこのことか・・・」
余裕たっぷりのロザリア・・・
ちなみにロザリアの声のする方に私は近づいているが特に異変はない。
「やっぱり罠はないみたいよ。」
「え??なら私達も行くか!」
拍子抜けした表情のまま、急いで私の方に駆け寄る四人・・・
「ロザリア!覚悟しなさい!」
ロザリアの姿を確認したところで私は叫ぶ・・・
「む?ミラージュ・ドライバーはわらわが奪い取ったはず・・・なのになぜ変身しておるのじゃ・・・」
「ミラージュ・ドライバーはもう一つあったっていう事ッス!」
ドヤ顔で応えるオオハシ
「く・・・トーヤ・・・貴様!破棄したといいながら例のドライバーを隠し持っていたというのかえ!」
「そうッス!見た目は変わっても相変わらず頭だけはキレるッスね!」
「ふん・・・言いたいことはそれだけかえ・・・わらわもその力をつかってやるぞえ!」
「赤き凶星の輝きよ!すべての世界を混沌へと導く力の源よ!我が手に集え!ミラージュ・フォース!チェンジ!001 スカーレット・ロザリア ソード・フォーム」
「変身した?!」
「す・・・スカーレット・ロザリア??」
深紅の装甲に包まれたロザリアが私達の目の前に現れる。
その姿は狂戦士化したソナのデザインに酷似していた。そしてその手には・・・
「な!日本刀?!」
「くくく、驚くことはないぞよ・・・これはもともとわらわの力・・・“あるもの”から“あるもの”を変化させ、極めれば石から金をも生み出す魔法の力ぞ・・・『錬金術』とでもいおうかの・・・」
「まさか・・・」
「いうに事欠いてお前から『その名』を口に出してほしくなかったアル」
「くくく、ソナ・・・主従逆転した気分はどうだったかのう・・・まあ、わらわの真の力が目覚めれば再び支配下に置こうぞ・・・」
深紅の瞳で私達を見つめるロザリア・・・私はかすかに恐怖を覚えた・・・
「いっておくけど、こちらは5人、いくらあなたが『魔装の力』を得たとはいえ数では圧倒的有利よ!」
その恐怖感を打ち消すように私は叫ぶ!
「ふっ、甘いのはどちらか・・・『深紅の魔女』の力とくとあじわうがいいぞよ・・・」
そう言いつつロザリアは日本刀を軽く振った・・・
一体何の意味があるのだろうか・・・この距離では誰一人攻撃があたることはない・・・
しかし、次の瞬間、ものすごい勢いで何かが降り降ろされた。
「!!」
それは巨大な茨の蔓であった・・・
「ふ・・・身のこなしだけは速いのう・・・」
「ちょ・・・これどうなってんの・・・」
「まずいッス・・・やつの力が目覚めつつあるッス・・・」
「そのようアル・・・あいつ自身が言っていたように魔力で物質を変換させることが出来るアル!」
「そういうことぞえ!」
と言って指を鳴らすロザリア
今度は地面がゆれて岩がせり上がってくる
かなりの勢いの為、うっかりしてたら足元から弾き飛ばされるところだった。
「くう・・・かなりの強敵じゃないの・・・」
さっきまでの勢いは完全に削がれ、気が付くと私は額に大粒の汗をかいていた。
「マリン、何とかならないのか!」
「カイナさん、そんなこと言ってもどうすればいいのよ!」
もはやカイナさんとのやり取りも怒鳴りあいになっていた。
お互いそれだけ余裕がないという事だ・・・
「ふふふ・・・ちなみにこんな技も使えるぞよ!」
ロザリアは一瞬印を結んだ次の瞬間・・・
「げ!五人に増えた・・・」
「まさか、この技・・・」
「ふ・・・そのとおり、今やわらわは”夢想界”の星の力も使うことが出来る!」
「いくぞよ!」
日本刀を構えたロザリアが私に切りかかってくる!
「ぎゃー!反則~」
かろうじてよける私
「隙ありぞえ!」
そのすきをめがけて火の玉を投げつけてくるもう一体のロザリア!
「うわああ・・・もう、闘いにくい!」
一体でも厄介なのに、この複数体による連続攻撃では反撃できない!
私だけでなく他の四人も同様に攻めあぐねいていた。
が、カイナさんだけが何かに気づいたらしく不敵な笑みを浮かべた。
「ん?そうか!私に考えがある・・・みんないったん退いて私のところに来てくれ!」
ロザリア達から距離を取ったカイナさんが全員を集め、ひそひそと話始める・・・
「え~、それ失敗するとほんとにやばいんですけど・・・」
「でも悪くないアル、さすがアル・・・」
「その作戦賛成っス。よく思い付いたッスね!」
「とかくみんな散れ!」
さて・・・カイナさんはどのような作戦を考えたか・・・
「距離をおいても無駄ぞえ・・・」
「それはどうかしら・・・」
挑発気味に私はいう。
「まあ・・・逆にどのように抵抗してくるか見ものぞえ・・・」
「そうか、ならばかかってきな!」
私同様カイナさんも挑発する。
「そうか・・・そのセリフ後悔しても遅いぞえ、こちらから行くぞえ!」
五人のロザリアが話ながら各々攻撃してくる。
「ひぃ!これよけきれるかな!」
「とにかくスキができるまで待つんだ!」
「わらわにスキなぞないぞえ!」
そういってロザリアが指を鳴らすと
今度は上空から氷の塊・・・雹が降ってきた!
「ぎゃあ・・・規格外・・・」
私達は必死によける!
「まだまだぞえ!」
今度は別のロザリアが炎の玉を投げつける!
「ちょっと・・・これ無理!」
無茶な体制で避けたためつんのめってしまった。
「ははは・・・これは滑稽ぞえ・・・」
高笑いするロザリア・・・完全に遊ばれている!
「とにかく隙をつくんだ!」
日本刀の攻撃をよけたカイナさんがそう叫ぶ!
「愚かな!何度も言うようにわらわにスキなどないぞえ!行け茨のムチ!」
「あわわわ!」
私に振りおろされる茨のムチ・・・
よけられない!
直撃すると思ったその瞬間・・・
「あれ?消えた??」
「な・・・なぜ・・・なぜ術が使えぬのじゃ!」
「賢いわりにあまり頭が回らなかったようね・・・」
混乱するロザリアにチャンチーが言い放つ・・・
「なぬ?」
「私達はあえてあなたに大技を連発させたのよ。」
「そう、いくら我が姉の肉体とはいえ魔力は無尽蔵ではない・・・むしろ少ないぐらいだ・・・」
そう、カイナさんから聞いたのは、ロザリアが寄生しているレイナさんについてだった。実は彼女はそれほど魔力を持っているわけではなく、最低限の魔力消費で戦っていたという事・・・
このような状況下で大技を連発すると、簡単に魔力が尽きてしまうという事だった・・・
そこで私達はあえて逃げ回ることでロザリアに大技を連発させる作戦に出た・・・というわけだ。
そもそも五体も分身を生み出すことも消費を激しくした要因でもあったのだが・・・
「まあ、無制限に魔法を使う力を持っていたら一巻の終わりだったが、さすがにそこまでではなかったようだな。」
「能力を過信したのが運の尽きとうことね・・・」
したり顔で言うカイナさんとチャンチー
「おのれえ・・・はかりおったな!」
「大技っていうのはこういう時に出すのよ!ダイヤモンド・リザレクション!!」
私は白い光の玉をロザリアに向かって放つ!
「ぐわああ!」
まばゆい光に包まれたロザリア・・・光が収まると共に二人の人影があらわになった。
「これは??」
「やった!分離したッス!」
私達の目の前には今まで通りロザリアとやせ細った老婆がいた・・・
ただ唯一異なるのは白髪ではなくその老婆は燃えるような赤い髪だったのだ・・・
そして・・・
「これは・・・一体?どうなってはりますのん?」
今までと全く口調の異なる元ロザリア・・・
こちらはよく見ると髪の毛は黒色、瞳の色は茶色であった・・・
「うわあ・・・カイナさんの顔でその口調はテンポくるう・・・」
「おいっ!サクッとディスるな!」
後ろでカイナさんが怒鳴る。
「ああ、それにしてもレイナ姉さん無事でよかった!」
安堵の声を漏らすカイナさん。
「カイナ、あんさん何してはりますのん?ん!ロザリア!!なぜ?!」
しかし、感動の再開もつかの間、強敵が私達をにらみつける。
「おのれ・・・レイナから強制分離させるとは思いもよらなかったぞえ・・・
とはいえこの姿に戻れば”眠りの呪い”に悩まされることはないぞえ・・・
この『深紅の魔女』ロザリアの真の力を見せてやるぞえ・・・」
「望むところですわ!ほないかせてもらいます!」
レイナさんが構えた
「青く輝く幾千の星たちよ!我に力を!変身!!魔法少女ダイナマイト♡レイナ!」
私達の目の前にはヒラヒラの服装をした魔法少女が立っていた。
それはかっての私が身に着けていた装備に他ならない。
「うおおお、ここにきて魔法少女の復活だあああ!」
勝手に熱くなる私!
「うちも闘いに参加させてもらいますぅ!」
「ついに姉さんも参戦か!頼もしいな!」
とてもうれしそうなカイナさん。
復活したダイナマイト♡レイナと共に老婆と化したロザリアとの第二回戦が始まろうとしていたはずだった・・・が・・・
「愚か・・・あまりにも愚か・・・」
「その声は・・・」
「ジェネラル・ノワール!今までどこに行っておったのか!貴様とわらわであればこの小娘どもはすぐに片付けられるぞえ!」
魔法少女となったレイナさんが新たに参戦してくれるとはいえ・・・
ロザリアはまだ健在・・・そして今度はジェネラル・ノワールが姿を現した・・・
ちょっとピンチっぽくない??
最初のコメントを投稿しよう!