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「…はぁ?」  午前の仕事から帰ってきた父の言葉に、僕は思わず態度が悪くなる。 「だから、何それ」 「だから、そのままの意味だ」 いかにも住職らしい服装の三十代の男が答える。僕の父さんだ。 「つまり除霊師になれってこと?」 「さすが玲己、その通りだ」父さんはとても簡単な事の様に言う。 「いやだからさ」僕は困って何とか断ろうとする。そんないきなり除霊師になれと言われても。 「大丈夫だ。お前は霊感もあるし、第一この俺の息子だからな。子供の頃から俺の仕事は見てきたから大体の要領はわかるだろ。除霊用のお札も用意したし、習うより慣れろだ。  二丁目の古びた洋館、あそこに霊がいるという噂がある。今から確かめて来い」  なんで俺が…僕はブツブツ言う。 「黙ってサッサと行け。俺だって忙しいんだ。たかが噂に付き合ってられるか!」  僕はいきなり父さんにグーで頭を殴られた。 「生臭坊主」不貞腐れて僕は言う。 「早く行け!小遣い減らすぞ」 「はいはいわかりましたよ」僕は殴られた頭を擦り、家もとい寺を出た。
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