さらば、夏休みのとも

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 ママに「明日の学校の用意はできてる?」と聞かれたので、「できてるよ!」と噓をついてから、夏織は初めてランドセルを触りました。  蓋を開いたとき、真っ先に夏織の目に飛び込んだのは、ぴかぴか新品のままの『夏休みのとも』。  ランドセルを触ったことで、夏織は急に胸が重くなったように感じました。 「あーあ、明日から学校か。夏休みが終わらなければいいのにな」  過ぎた日のすべてにバツが付けられたカレンダーを見つめ、夏織は呟きました。
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