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自分のことではなかったけど、すごく嬉しかった。しかも決勝点を決めた兄は、僕にとって、自慢の兄だった。
「お兄ちゃん! 凄い! すごいよ!」
口唇までも興奮させて抱きつく僕に、兄は僕の頭を撫でた。
「お前も頑張ってバンディッツのレギュラー取れよ! お前ならできるからな」
「うん!」
僕は大きく頷いた。
このときあまり認識していなかったが、兄はこれが小学生最後の試合だった。
その日の夜、僕と兄はお風呂に入った。サッカーの話題で盛り上がった。このときはいつも以上に騒ぎながら長々と入っていたので、母の口唇から「早く出なさい」と怒られた。
(続く)
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