(二)

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「おい、お前ら、俺の弟になにしてるんだよ!」  そう大声を上げたのは、もちろん僕の兄の口唇だった。  怯んで一歩下がった上級生二人に対し、兄はたて続けにパンチを入れた。  それぞれ一発づつ殴られた上級生は、走って逃げていった。そのうちの一人は、唇を切って血を流していた。 「大丈夫か。怪我してないか」  兄が僕に近づいてきて、頭を撫でてくれた。 「大丈夫、無事だよ。ありがとう」 「おう、それは良かった。よく耐えたな。お前は大事なヤツだからな」  そういう兄に、僕は「うん!」と答えた。 (続く)
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