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「おい、お前ら、俺の弟になにしてるんだよ!」
そう大声を上げたのは、もちろん僕の兄の口唇だった。
怯んで一歩下がった上級生二人に対し、兄はたて続けにパンチを入れた。
それぞれ一発づつ殴られた上級生は、走って逃げていった。そのうちの一人は、唇を切って血を流していた。
「大丈夫か。怪我してないか」
兄が僕に近づいてきて、頭を撫でてくれた。
「大丈夫、無事だよ。ありがとう」
「おう、それは良かった。よく耐えたな。お前は大事なヤツだからな」
そういう兄に、僕は「うん!」と答えた。
(続く)
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