あの日、全力で泣いていた妹

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 そんなことを3年ほど続けて、とうとうひろ絵は保育園に入ってしまったんだけれどその農家さんとはずっとお付き合いは続いた。 野菜の時期は野菜を、新米の時期には新米をひろ絵を連れて届けに来てくださっていたようで、そんな日のお母さんはとっても饒舌だった。 ひろ絵はひろ絵で小学校に入ると年賀状をくれたりしてみんなで喜んだものだ。 僕たち兄弟にとって年の離れた妹みたいな感じだった。 ひろ絵は社会人になっても親から聞いていたんだろう、我が家への恩を忘れなかった。 ボーナスが出たからと言ってお母さんにプレゼントを持って来たりしていた。 今でもお母さんの嬉しそうにしていた顔が忘れられない。
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