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まだこの国の四季がはっきりしていた頃のことだ。
ぼくが、そう、中1の頃だったと思う。
夏休みの終盤で今のような酷暑ではないものの、その頃はその頃でとても暑いと感じる日だった。
家の中で両親と二つ下の弟の浩二と四人で涼みながらお菓子を食べていた時だったと思う。
突然、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。
それが、かなり弱々しい泣き声なんだけれども、もう全力で泣いているって感じだった。
僕の家の前には、車がやっとすれ違うことができるくらいの道があって、その向こうには畑が広がっていた。
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