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そっと離れ、彼は俺をゆっくりと倒し覆い被さってきた。
「…!リヒト、あの……これって、」
一体どこまでするのか、ここまでしたら効力が上がるとかそういうのもあるだろう
どう伝えるべきか迷っていると、リヒトは顔に手を添えてきた。
「…ボスは、そのままで」
本当に、何から何まで頼ってしまっていいのだろうか
彼は『2つ目はボスから……』と言っていたのに
上着をめくられ、左胸を舐められた。直後にはぁ、と息が掛かってびくりとした。
ちらりとリヒトはこちらを見て、また下に視線を移した。
ざらりとした舌が乳首を刺激し、幾度か吸われた。右は軽く指の腹で撫でられ、そのあと摘まれた。
「っ、あ……ぅ…」
彼は上体を起こし、脇腹を撫でられた。その手はそのまま下へ移動し、盛り上がってしまっている俺のモノに触れた。
促されるように一瞥され、俺は腰を浮かして下着を脱いだ。
リヒトは、俺の理想に寄せたキャラクターでもあった。現実では叶わないものをゲームに反映させたくて作った。
紺の前髪が目に掛かるのは格好良く見えるかなとか、改めて見ると視界の邪魔になっているかもしれないけど
両耳にも装飾のあるイヤリングやイヤーカフを数違いに付けたりして俺なりにお洒落になるかと思って付けた。
体のあちこちにはタトゥーなんか入れたりして、盛り過ぎたかと感じたが普段の服装で見る機会なんてないと思っていた。
(…自分の好みで作ったんだから、そりゃ格好良く作るよ……)
一方で本人は俺の陰茎を、舐めていた。裏筋から亀頭を舌で丁寧に刺激してくる。
気持ちとは裏腹に、ピクピクと反応するし先走りも舐め取られる。
次第にゆっくりと扱きだし、呼吸が早まった。
「…っう、……リ、ヒト…」
彼と視線が交わる。そのまま口に含まれ、快感を送り込まれる。
ぎゅっと拳を作った。もう限界に近い、達してしまいそうだ
ふるふると首を左右に振り、出るからと伝えても離さなかった。
「ん…あ、……うぁっ…!」
口内射精を決めてしまった。直後にぼーっとしてしまったが、慌てて近くにあったティッシュを取った。
出すようにとそれを渡すが、彼は受け取ってから飲み下しやがった。
「おい…!」
「…契約の為だ」
本当かよ、と疑いの目を向けた。それを気にした素振りもなく、リヒトは自らの下着を脱いだ。
そうして俺の体を跨ぐようにして膝立ちし、彼は息を静かに大きく吐いた。
「ちょ、ちょっと待て、ここまでするのか…!?」
「……不服だろうが、受け入れてくれ」
そういうことじゃない、でも彼は俺の為にここまでしてくれているわけで
リヒトは俺の胸に手を置き、自らの尻へ俺をあてがった。スリスリと擦り、ぬちゅりと音が鳴った。
「……っ、く、…んんッ」
彼の口から漏れ出た。やはりキツい、締め付けられてどうにもならない
落ち着かない状態だったが、徐々に滑りを感じ始めてからゆるゆると動き始めた。
(……少しでも…)
俺は彼の胸に手を伸ばし、乳首を撫でた。するとリヒトはやや驚いたように目を向け、俺の手を退けた。
「…いい、それはっ……」
「なんで?これくらいしても…」
いい、と再び念を押すように言われてしまった俺はそのまま手を下ろした。
このもやもやするような感情は何なのだろう、俺からの行為は契約だと余計な事なのかな
「はぁ…っ、あっ……う、ん…」
キシキシ、とベッドの軋む音が聞こえる。彼の締め付けによる刺激もあり、しっかりと勃起をして中を擦っている。
リヒトは、やや上を向いていた。首から鎖骨に向けて汗が伝った。喉と、そして胸から臍まで艶かしく動いていた。
「……う、っあ…!も、出ちゃう……」
たんたん、と肌が弾けるようにぶつかる。彼の腹部を軽く叩き、動きを止めるよう意思表示をしたが聞き入れてくれる様子はない
締め付けもよくて中に出す前に抜かなければと思っているのに、そう考えているとリヒトが見下ろしてきた。
「…出せ、これも……っ、契約だ…」
(一体、どんな、契約なんだよ……!)
俺は身体を震わせ、ついには中に出した。きゅっと何度か締まり、彼の呼吸もまだ荒かった。
これは契約であり雰囲気なんてものは要らない、というよりは必要無いものなのかもしれない
気が抜けていて、しばらくしてからハッとして片付けの手伝いをしようとしたが既に終わっていた。
「契約って、上手くいったのか…?」
「…特に問題なく……」
何の能力も使えない俺にとって、実感出来るような感覚は当然ない
それよりも契約の内容をもう少し詳しく聞いておくべきだったのかもしれない
「じゃあ、リヒトは契約してから何か変わったとかはある?デメリットとか…」
「感知力や探知力は上がった…デメリットはない……」
身体的負担はさせてしまったが、それならまだ良かったのかなと考える。
イスに座っていた彼に近寄り、ぎゅっと手を握った。
「ありがとう、それでも無茶させたよな。俺に出来る事なんてたかが知れているけど、出来る限り協力するから」
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