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呼吸はまだ荒く、良くなってもいないし悪くなってもいないといった具合だろうか
力無く置かれた手が、俺よりもやや大きく頑丈なのに動かない
(めまいって言ってたよな、気持ち悪くて喋れないのかも…… そもそもこの対処法でいいのかな、逆効果になったりして…)
彼の左手を両手で握り、どうしたらいいのかという想いだけがずっと頭を巡っている。
(悪い方向に考えたらダメだ、まだやれることはあるはず……)
手を伸ばし彼の顔に手を添えてみると、顔もほんの少し熱い気がする。リヒト、と名前を呼び掛けてみた。
「水、飲めそうか…?」
先程よりも少しだけ目が開いてから俺を見た。飲む、と彼は小さく答えたが手は上がらない
俺は迷わず自らの口にグラスをぐいっと傾けて水を含ませた。額にあるタオルを取り、上体を起こしてから彼に口移しをした。
コク、コクと喉が鳴っている。せめてこのグラス1杯くらいは、と残りの水を口に含んでから彼に飲ませた。
(何とか、飲んでくれた……)
ホッとしていると、彼と視線が絡んだ。もう少し飲みたいのかな?と思って立ち上がろうとする前に右手で手首を掴まれた。
力はそれほど入っていないものの、引き寄せられるままになっているとその手は肩に向かった。
「も、っと…欲しい……水、じゃ…なくて――――」
何度か触れる程度のキスを繰り返した。リヒトがうっすらと開けている口から朱い舌が、ちらりと見えた。
(もっと、知りたい)
するりとタオルケットに手を忍ばせて胸の先端を衣服越しに指先で擦ってみると、彼は艶のある声を漏らした。
そのまま緩急を付けて愛撫していると、リヒトは堪える為に歯を噛み締めていた。それに気付いた俺は舌を彼の口内に割って入った。
「ふぁ、んんっ…!」
擦っていた甲斐もあり、乳首はしっかりと主張していた。タオルケットと衣服を順に捲れば、それはつんと上を向いていた。
唇を離して彼を見ればダメだ…と控えめに言っていたが、構わず人差し指と中指を彼の口に突っ込んだ。
舌を中ほどから手前に何度か軽く擦りながら掻き混ぜる。彼は驚いていたが、噛みそうになるのを健気に堪えていた。
「ん…!ふぅっ、うんっ……!」
上体を傾け、乳首を舌先で何度か突いてみたらぴくっと反応した。脇腹をつーっと舐めてみればさらに反応が返ってくる。
ちゅ、と乳首を吸ってみたらビクビクと身体が震えた。そのまま口の中で舐めていると、臍が大きく動いた。
(このままだと、抑えが効かなくなりそう)
そう思って突っ込んでいた指を引き抜くと、色気のある声を彼は漏らした。
ここまでやっておいて、なんて思うし何よりも俺の探究心が尽きなかった。
「優しくするから、リヒトの事、もっと教えて」
ベッドに乗り上げ、彼を窺う。いつも表情は隠れているが、今は隠す物もないためにすっかり欲情した顔をさらしている。
言い訳をするなら、求めて来たのはリヒトからだし拒む事も出来る隙は十分に作っている。
両手で彼の乳首を弄ってみる。左側もすぐに硬度を増し、撫でては擦ったりして悶える様子を眺めた。
「く、ぅんっ……うぅッ、…んんっ、ボスっ……」
悩ましそうな、でもその顔がたまらない。無理させたくないからしてほしい事があったら言ってね?と伝えた。
「っうう、……ん、ふ…!…っあ、……き、もち…」
そのまますりすりと擦り続け、リヒトは顔を小さく左右に揺らした。手首を掴むというよりは添えられる。
しかし戸惑う様も見受けられた。それでも、リヒトは我慢するだけで快感に身を捩らせては喘いでいた。
「こっちはスゴそうだけど、このままで大丈夫?」
片手を後ろに回し、タオルケット越しから彼自身に軽く触れた。うぅっ、と彼は声を抑えた。
「…はーっ…はッ……ん、ボスっ、ダメ…そんな……はぁッ…」
「何がダメ?」
意地悪だと思ったが止められなかった。力関係では圧倒的有利な彼を、気持ち良くさせているという優越感に浸ってしまう
「…うぁっ、ボス……ほん、と…にッ、……イぅっ…」
言わないと分からないよ、と追い詰めれば彼は呻いた。そうして彼は眉をややひそませつつも口を開いた。
「…ボ、ス……イ、き…たいっ…」
タオルケットを剥ぎ、汚れる前に下着を脱がしてイスに置いておく。
続けて自分も軽装になりながら彼の足元に向かい、彼自身をグッと掴んだ。
「んぅッ!…あっ、ひ、…ダメ、うあぁっ…!」
先走りを利用しながら擦り上げると、彼はシーツを強く掴んで快感に耐えていた。胸から臍に向かって汗が伝った。
自分でするのと同じように、でも彼がより反応を示す場所を探しながら右手で扱き、左手は睾丸を揉み込む
「っは……あ、うっ…あぁッ!…もぅ、無…理っ!イ、ぅっ……!」
ぴゅる、ぴゅっと何度かに分けて射精した。まだピクピクとしているところで動きを緩めた。
改めて彼を見ると、こんなにも扇情的で愛おしいものだとは思わなかった。手に付いた彼の精液を見て思わずゾクゾクしてしまった。
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