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以前、湊はいつ俺が湊に呆れるかと憤っていたが、実際は違う。俺の方がいつ呆れられるかとビクビクしているんだ。
煜太は意を決して口を開いた。
「湊、あの」
「嫉妬、してくれたんだよな?煜太さん」
しかし、その言葉は湊本人によって遮られてしまった。しかも、え?なんだって?
まるで心の中を覗かれているかのようで、煜太はただひたすらに焦る。
「え?なんで知って…?」
「だってさっき、俺のだからって言ってくれたじゃん?あれ、最高にカッコよかったし」
そう言った湊が煜太を優しく抱きしめた。
「嬉しかったから、許す」
そして、唇にリップ音を立てながらキスをした。
ああ、神様。もし生まれ変わってもやっぱり湊と出会わせてください。
湊が男でも女でもきっと俺は、湊を愛する自信があります。
存在するかもわからない神様にそう願いながら、湊の滑らかな髪を煜太はひたすらに撫でていた。
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